百年ぶりくらいにブログを書いている。

書かなかった数年のあいだのことを思い出す。すごく変わったような気がしている。昔の自分の書いた文章というのはほとんど共感できないものばかりで、体験していることは同じはずなのに、ドッペルゲンガーが書いたものを読んでいる感覚になる。

 

1年ほど前に結婚をした。その前には7年付き合っていた人と半ば強引に別れた。その人と京都に旅行したときに、冬の海で彼におんぶをしてもらい、ジョゼと虎と魚たちの真似ごとをしたことをよく覚えている。27歳に死ぬつもりだったから、そういう小さなダイヤモンドのつぶてみたいなものだけを集めて満ち足りていた。でも実際は27歳で死んだりしなかった。誰かのたましいの片割れになるのが怖くて、知らない風景の本を読んで、知らない風景を心に飼う、それ以上何もない暮らしをずっと続けていくつもりだった。自分のあざとさからとにかく目をそらしたかった。父親を恨むだけで朝まで眠れなかった地獄のような日も少なくなってきた。自分が自分でなくなっていく3年間だった。相変わらずおさけの量は減らないし、常に何かに怒っているところは変わらない。

 

なぜ書こうと思ったかと言うと、麓健一の新曲を貼りたいから、それだけ。

麓健一 - ヘル - YouTube

年末、女友達が同棲している彼氏からプロポーズされたという話を聞いて本気で悔しくて泣いてしまった。わたしが彼女と結婚するのだと、心のどこかでずっと信じていたから……。帰りのバスでも落ち込んでいるわたしに、「まぁ離婚すっかもしんないし、一生続くのはわたしたちだから」と言われて、それもそうだなとあっさり立ち直った。

 

12/31友達とカラオケに行って銀杏BOYZ松浦亜弥を歌う。年末ジャンボを山ほど買い込んだこの男ははずれくじの山の前でうなだれていた。シャンパンを二本開けて踊っているうちに年を越していて、それも含めてめちゃくちゃ笑えた。次の日の朝ふつうに頭痛くて面白かった。夜、クリスマスに焼肉を食べて喧嘩した男友達が謝罪の黒毛和牛を持ってきたのですき焼きにして食べた。この男とは毎回焼肉を食うたびにもめるのでもうやめようと言う話になった。

 

年始、実家に帰り姉夫婦と鍋を、兄夫婦とちらし寿司を食べる。いつ結婚するの?ウエディングドレス一緒に選びに行きたい!と姉と義姉に言われるがそんな予定はついぞ存在しないのであった。両親の白髪が増えたなっていうのは、ありきたりな感想だけど本当にそう思うもんで。仕事柄、人間いつ死ぬかなんて本当にわからないから、せめて会った時くらいは親に優しくしないとなと思うがなかなかうまくは行きませんでした。

 

生まれて初めて桃鉄をやった。北海道に飛ばされるカード、許せない。最下位だった。

 

横浜美術館に行ったのだが、一緒に行った人が展示を見る前に図録を買おうとしていたので「重いし荷物になるから帰りに買えば?」と言ったら「賢い!天才だ~」と喜んでいて、このひとは大丈夫なんだろうか……と思った。でもこの人といると店員さんが親切だ。A太郎といるときのA子さんのような気分になる。

 

元カレに百年ぶり(体感)に会った。A子さんの恋人の最終巻を読んで、借りていた本を返さなきゃと思ったからだ。19歳のクリスマスの夜に知り合ってから丸7年経った。昔と同じ言葉遣いのなつかしさにくらっときて、絶対にあるはずの空白がトリミングされてあっという間に今のシーンにつながった気がした。「PASSION」と「親密さ」と一緒に観て、「ハッピーアワー」の話を少しした。

 

歯並びが悪いのでよく口の中を噛んでしまう。八重歯の当たる位置に口内炎があり、常に歯が当たっている状態なので治りが遅い。最悪なことに、もともと別々の個体だった口内炎が合体して巨大なサークルになっている。あまりの痛さに意識があるだけで苦痛なので、普段より一時間早く睡眠薬を飲んで痛みから逃げています。

 

乃木坂の新曲、最高!


乃木坂46 『Out of the blue』

好きな人にひどいことを言われて小田急線で泣いてしまった。病んでると言われるのが大きらいで、終電を逃さないために周りの人に迷惑をかけないために静かにぽとぽと涙をマスクの内側にこぼし続けるわたしのどこが病気なのかきちんと、一言一句真摯に説明しろよ、できないなら死ねと本気で思ってしまった。コロナのおかげでマスクしてると泣き顔が目立たなくていい。渋谷のでかい交差点や新宿から新大久保に抜ける道や帰りの電車や職場のトイレで人知れず泣くチャンスが与えられる。わたしが爆弾魔ならお前の家からぶち壊す。月に200時間働いてもらえるのは保険証と月に発泡酒90本買う金だけ。朝も昼も夜も同じ顔してるおめーらが不気味で、死に方も殺し方もよくわかってないくせにわたしの命をすりつぶすなよ。主語がないのは酒のせいにして、君の好きなとこ話すふりで大嫌いなところ話したってわたしの話なんて聞いてないだろうからばれないでしょ。打たれ弱さでラブ集めたってそんなの何の価値もない。ぎりぎりの強さを認めてもらえなきゃ達成感なんて味わえない。もっとキメてもっとキメてすり減ってから回復する朝までの数時間、何も考えずに眠りたい。課金した方が期待値上がって楽しいのなんてソシャゲと一緒じゃん、もっともらしく好きとか言わずにもっとずっと手っ取り早くてファストな表現してほしい。

 

仕事が超~忙しくてちょっと気を抜くと働きすぎちゃう。明日健康診断なのにもう缶ビール三本飲んじゃったから間に合わないよ。週に4日ほうれんそう食べるようにしたら立ち眩みしなくなった。悲しいことを思い出さないために精を出す仕事と自炊のおかげでありえんくらい健康で、なにかを壊したり何かに必要以上に優しくすることもなくなった。一日を強制終了させるための睡眠薬で主電源落として22時とかに寝たりするんだけど、これも自傷行為にカウントしていいと思う。楽になるために必要な手段はやりつくしたはずなのに一向に変わらない。日照時間が少ないとマジで鬱になるタイプなの忘れてた。死にたかったけどホットカーペットつけたら多幸感ぶちあがったから床で寝た。

 

職場の人間関係のトラブル(わたしは渦中にはいないが)がめちゃくちゃ疲れる。声のでかい人が優勝して、「こっちはゆずってやってるのに」とかいう精神マウントの取り合いははたから見てるだけでもつらい。わたしは自分がこの職場で一番くずで性格が悪くて態度がでかいけれど、人格者ぶらないぶんだけましだと思っている。

 

車は買わない、真夜中に出かける手段を手に入れたらわたしはもう家には帰らないだろうから。

 


銀杏BOYZ - 恋は永遠 (My Love For You is Eternal) [ENG SUB]

人権を手放す瞬間みたいな、生存権を他人にゆだねたくなる無責任な日に限ってセックスをする。自分が人間じゃなくなる瞬間が好きなのだ。自分が自分じゃなくなるときがないと、わたしはつらくて死んでしまう。酒を飲もうが、仕事がうまくいこうがそんなのはなんの満足でもなく正気から少しズレただけで、言葉より五感が優先される時間に圧倒的な自由を感じる。わたしにとって自由とは得ることではなく捨てることだ。抑圧と解放の繰り返しで人は「気持ちいい」の自給自足ができる。お客様への「すみません」と舌の上に残る睡眠薬の味と仕事終わりに飲むグリーンラベルが解放へ向かうための踏台だ。不条理を甘んじて受けるのがそういう理由だって知られないうちはまともなふりして仕事しようと思う。

 

友達の家のシーツが気持ちよかったので同じものを色違いで買った。寝起きに何食べたい?と聞かれて焼肉と答えたら「若いなー」と言われた。化粧品を集めるのが趣味の彼に眉毛を描いてもらった。好きな男に髪を結ばせたり、化粧をさせたり、マニキュアを塗らせる快感をみんな知った方がいい。

 

職場の人に4つあいているピアスホールに指摘を受ける。


GOOD DAY / 舐達麻(prod.GREEN ASSASSIN DOLLAR)

10月末、カネコアヤノとサニーデイサービスのライブを観に渋谷へ行った。ライブハウスに行くのはいつぶりかもう思い出せない、半年前よりももっとか。でかい音で好きな曲を聴いたら、驚くほど涙が出て、失ったものを簡単に取り戻せたみたいな魔法にかかった気分だった。

 

好きな男の子と自宅で火鍋を作って食べた。わたしと体重が3kgしか変わらない、痩せている彼がぱくぱく鍋を食べ進める様子を見てとても幸せな気持ちになった。わたしは彼のために料理をするのが好きで、自炊がとても得意になった。仲の良い男の子たちはたいてい気を使ってわたしに料理をさせずに外でお酒を飲んだりご飯を食べるけど、彼はいつも目を覚ますなり「おなかがすいた、何か食べたい」とわがままに言うので、かわいいなと思いながら包丁を握っている。

 

「本気のしるし」を観にキネカ大森に行った。

 

寒くなって飲酒量が減った。わたしがアル中にならないための唯一のストッパーが「お湯割りが嫌い」という点だ。ただ、寒い寒いと言いながらキンキンに冷やしたグリーンラベルを飲んでいる自分はバカみたいでけっこう好きだ。

 

髪を切りに行く予定だった日、完全に起きるのがめんどくさくなってしまい予定を変更しスーパー銭湯へ。人の裸を見るのがおもしろくてついジロジロ見てしまいそうになるのを必死にこらえている。つくりが一緒なのにこんなに個体差があるなんて、楽しいじゃないか。サウナで観るニュースの情報はいつもより印象に残る気がする。休憩所で一緒に来た友達と横たわっているうちに少し寝てしまった。マスクをつけていて良いことはよだれが垂れてもまわりにばれないこと、それだけである。お風呂屋さんは男女別だから実質一緒にいる時間はたいしたことないけど、なんかすごい楽しいことを二人でしている気分になるよね、と口に出したか出してないか忘れるくらいにはお酒を飲んだ。

 

今までに経験したことのないような頭の痛みによって二日仕事を休んだ。救急車を呼ぼうか迷うレベルの痛みだったが、MRIやCTをとっても何の結果も出なくて、片頭痛の薬を処方されて終わったが、市販の痛み止め含めどれも効かないし、視界がぐねぐねと曲がってきて死ぬかもしれないと本気で思った。映画とかで観る「ウっ、頭が……」ってこんな感じですよとアナウンスされているかのごとく、仕事中も突発的に痛みが出るので持ち歩いているピルケースのにロキソニンを追加した。

 

三日後にちゃんと髪を切った。好きな男の子に写真を送った。切った直後に友達とサイゼリヤでご飯を食べた。おいしいものを食べたりおしゃれな場所に行かないと間が持たないみたいな関係でもないので、ここ数年ずっとサイゼリヤか鳥貴族か日高屋にいるが、それでもめちゃくちゃ楽しい。

 

会社の飲み会。掘りごたつのしたで足をサワサワされて不愉快になる。酔った同期から今日はありがとう!また飲みに行こうと誤字脱字だらけのLINEが届いて笑った。わたしも酔っていたので誤字脱字だらけの返信をしていた。近頃朝晩寒いのでコートを着て出勤したら上司から「かわいいね」と褒められたが、堅物な上司なのでこの人の中に女性に対してかわいいと言う動作がプログラミングされてるの不思議だな……と思ってとっさに反応できなかった。

 

北野武の映画が3作オールナイト上映されると聞いたので池袋まで行った。男女比9:1というあまりに異様な館内に笑ったが、土曜の夜に246席が完売するってすごいよなと思う。みんな暴力を求めてるんですね。ソナチネをスクリーンで観れてうれしかった。映画好きな人は「映画館で観る」ということに重きを置くよね。手をつなぎながら映画を観ているカップルを見て、「そういう内容じゃねえだろ」と思いつつも、彼氏に連れてこられたであろう、歌舞伎町にいるギャルみたいな女の子が手を握ったまま眠ってしまっている姿は愛らしかった。映画が終わってまっすぐ家に帰った。小田急線のホームにはゲロだらけの革靴を履いたサラリーマンがホームで寝ていて、車内にはなぜか小銭が散らばっていた。普段始発の、それも週末の電車に乗らないので、おもしろくて好きな男の子にLINEをしたらちょうど起きていたようで朝の5時にすぐ返事がきた。彼は昼に寝て、わたしは夜に寝るからだ。

帰宅して、鍋の残りを食べて薬を飲んでお昼まで寝た。起きてから部屋を掃除して銭湯に行き、買い物をして帰ってきた。冬のせいかわからないが、乾燥して目がかすむしやたらと目がかゆい。病院に行くのはめんどくさい。

 


Sonatine opening

最近のこと

 

一番仲の良い同期の女の子が会社をやめた。いつもそれで出勤するのかって思うような派手なアイシャドウをしているところがすごく好きだった。仕事や恋愛の話をしながら新宿で火鍋を食べて、退職祝いにアディクションのネイルをあげた。また一緒に遊ぼうね、と約束した。

 

女友達と新宿でアジア映画を観て、歌舞伎町の上海料理屋でご飯を食べた。酒の勢いで「ホストクラブ行ってみたいよね!?」となったがキャッチの声かけにびびったのと、歌舞伎町のファミマでお金をおろした女の子がどの店に行くのか尾行するという計画が優先されてしまったためホスクラへは行かず。女の子はお店に行くわけではなく、ゴールデンボンバーみたいな人と待ち合わせをしていた。シーシャに行っていつも通りの恋バナをして解散。この温度感で話せる友達って本当に貴重だし、ぜったいに幸せになれ~~~~と思った。楽しい夜だった。

 

新しい手帳を買ってすぐに好きな男の誕生日に〇した。

 

後輩にいきなり「焼肉食べましょう」と言われて集合するも、朝早かったせいか二軒目以降の記憶をなくす。後輩が一軒目で支払った5,000円を財布に入れるのがめんどくさくて持っていた伊勢丹の紙袋にぶちこんだものの、二軒目の居酒屋に忘れた。連絡したところ無事見つかった。4,000円入っていた。

 

母親と神保町で天丼を食べて、銀座のデパ地下で買い物をした。お昼をごちそうしたらお返しにとDEMELのクッキーを買ってくれた。もったいなくてなかなか食べれず、まだ封を切っていない。母に生きているうちにあと何回会えるかな、といつも考えてしまう。クモ膜下出血で倒れて以降、母と会う時にそういうたぐいの緊張が生まれてしまう。先に死にたいな、といつも思ってしまうがそれは親不孝なので誰にも言わないことにしている。

 

自分の周辺にいる男の子たちがこぞって「結婚願望がない」という。なぜかと聞いてみるとたいていが「自分の時間が奪われるから」と言うのだが、奪われる側としての耐性がないんだな……と本当にごめんだけど思ってしまう。「女の子もきっとそう思っているよ」というとみんな鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして、「じゃあなんで結婚したがるの?」と聞くけれど、もう一度考えてみてほしい。「30近くなってまわりの女の子がみんな焦ってる」「彼女からの結婚のプレッシャーがすごい」その理由は、なんでだと思う。

 

銭湯に行ってサウナに3セット入ったら毛穴が目立たなくなった気がする(ぜったいにきのせいだけど!)みんなバカのひとつ覚えみたいにととのったととのった言うのが気持ち悪いからあんまり言及したくないけど、わたしはサウナが好きだ……。

 

残業した日はビール飲んでいいルールにしたら結果的に毎日飲んでいいことになってしまったのでルールを変えようと思う。

 

辛い鍋が好きで1か月で5回食べる予定になっている。赤からは5辛がうまいです。家で食べるなら鍋キューブのキムチ味に追加で唐辛子入れて、ほうれん草と豚肉とお豆腐とねぎと白菜で食べるのが好き。

 

寒いのは大嫌いだけど、買った切花が1週間以上もっていてうれしい。

 

季節の変わり目、友人たちの調子がいっせいに悪くなる。年々、体と反比例して精神状態が安定している。年上の男の子に「ぞっとするほど凪いでいる」と言われた。圧倒的な虚無や寂しさにあらがうのではなくその波に乗る方法を考え始めてから少しずつ他人へのやさしさが安定するようになった気がする。悲しさが永遠に続かないというのはもしかしたら一種の絶望なのかもしれないけど、今の自分にとっては少なくとも希望でしかない。

 


aiko-『ハニーメモリー』music video

元カレが福岡から東京に越してきてから、何度か会ってご飯を食べている。手を柔らかく握られて、変えたメイクや目の色を褒められるたび、この人と結婚する世界線もどこかにあるんだなと思う。

五年付き合ってた恋人に一生分の結婚しようをあげてしまったからもう私の手元から失われたものだけど、昔話をするみたいにそのころの、19歳から24歳までの気持ちを思い出した。いまでもずっと、誰かと死ぬまで過ごすならその人しかいなかった。神様を信仰するみたいに、敬虔に思い続けている。チルでもエモでも覆せない勤勉な愛情の裏側をのぞこうと悪い人がたくさん近づいてくる。悪趣味なのはカメラロールの中身だけにしようや。みんな天使にも神様にもなりたくないはずなのに天使と神様が大好きで、一人の神様を奪い合うはめになる。すべて承知の娼婦の役はもう降りて次の芝居をはじめたい。もっと違う設定で、もっと違う価値観でやれるからやらせてほしい。散らかった部屋だけはいやだけど心を散らかされるのはだいすきで、丁寧に片づけて次の誕生日のための準備をする。


大森靖子「KEKKON」 LIVE 真っ赤に染まったクリスマス 2019.12.24