9日昨夜はTSUTAYAで借りていた「ジョゼと虎と魚たち」を観た。恋愛の幸せの陰には必ず泣いている人がいることを思い出した。わたしが切り捨ててきたたくさんの男の子たちと、わたしから男の子を奪っていったたくさんの女の子の顔が思い浮かぶ。ジョゼの執着と諦めの具合に恒夫が惹かれていくのもわかる。人はあんなに色々な物を諦めて生きていけない。恒夫は自分がジョゼから逃げたことを「もっと良い人がいる」とか「お互いのため」とかいう大義名分に預けずに受け入れただけでも、十分に賢くて優しい男だと思った。優しさとは自分の幸福の後ろに泣いている人がいることを忘れないことだ。余談だが映画のなかで妻夫木くん演じる恒夫が身に着けていたアイテム(モッズコート、グレーのパーカー、ぼろぼろのジーンズ)が別れた人のファッションそのものでちょっと泣いた。一人で部屋にいて何もしないでいるとどんどん涙が出てくるので、自分のメンタルを自分で調整するために毎日のように映画を観たり引っ越しのための準備をしている。

 


ジョゼと虎と魚たち 特報

 

ふと思い立ちくるりのベストアルバムって何年前にでたんだっけな、と調べなおしたらなんと10年前。当時12歳だった私は「ハイウェイ」と「How To Go」ばかり聴いていたのを思い出した。岸田繁が既婚者であることにショックを受けていたのもこの頃だが、いまは間違いなく達身一択なので傷は癒えるし好みは変わるものだ。

ベストオブくるり/ TOWER OF MUSIC LOVER

ベストオブくるり/ TOWER OF MUSIC LOVER

 

 

この日の夜は「横道世之介」を観た。月9で高良健吾演じる練くんを観ていてあまりにつらくなり、「明るい練くんが見たいよ…」と思い借りてきた。全160分、人に紹介するにはあまりにコンパクトさに欠けるがあたたかみのある映像と、高良健吾演じる横道世之介が関わったたくさんの人を幸せにしていく姿を見て、そのあまりの天使っぷりに完全に心を奪われ2ループしました。吉高由里子のお嬢様言葉には違和感があったけど、ハンバーガーショップやプール、海や大学やお互いの実家、住んでいるアパートや病院、バスの停留所といった様々な場所を共有していく姿が、恋人同士なら当たり前なのだろうけどすごく特別に感じられて胸がきゅうとなった。


映画『横道世之介』予告編

 

引っ越し先の近くにTSUTAYAがあるといいなぁ。母には「ネットで選んでポストで返却」のやつでいいじゃん、と言われましたが、私はパッケージとかタイトルとかに惹かれてディスクを手に取りたいんだよ…。と言ったら姉に「世の中にはこういうやつが一定数いる(から実店舗がなくならない)」といわれた。CDショップとかもそうだけど、守りたい場所にはどんどんお金を落としていこうと心に決めている。