19日早起きをして引っ越し前に最後の買い物を済ませる。母と二人でホームセンターへ行った。小柄な母が嬉しそうに腕を組みながら私と歩く。春に降る雨の色って濃いグレーだよね、と話したらわかる、と言ってくれた。初めてクイックルワイパーを購入して家に帰ってから振り回して遊んでいたら父に怒られた。

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夜は東京女子流のメンバーが主演の「5つ数えれば君の夢」とトリプルファイヤーが音楽をやっている「サッドティー」を観た。やっぱり群像劇は見ていて面白い。まえに前田敦子が映画のなかでもとりわけ群像劇が好きって話してたのをテレビブロスのインタビューで見てすごくうれしかった記憶がある(私は前田敦子が好き)

東京女子流ちゃんの初主演、アイドル主演になぜか多いホラーものじゃなくてよかった~。「5つ数えれば君の夢」も先日みた「桐島、部活やめるってよ」も思春期特有の視野のせまさとか勘違いがたくさんあって観ていてむずがゆくなる。中高生のときって、必要以上に他人の感情に伝染されやすくて本当に嫌だった。他人と自分の境界線がゆるくなる感じが気持ち悪くて、吹奏楽部を辞めたのをよく覚えている。学校のなかではかわいくて人気者のリーダー格な女の子が、顔がよくて軽薄な他校の男子にあっさり騙されて冷たい言葉であしらわれるあたりに苦しくなりました。正直セリフまわしとか、個々の演技力とかつっこみたいポイントはいっぱいあるんですが、エンドロールの映像が最高なのでそれだけでも85分観た甲斐があると思います。美しいかどうかを自分の目で自分で決めることができた子だけが、学校のなかから抜け出すことができるんだと思う。


映画『 5つ数えれば君の夢 』予告編

「サッドティー」は面白かったしムカつくシーンだらけだったなぁ~。なかでも早稲田と園子の別れ話のシーンはつらかった。正直に話すことだけが美徳ではないけど、彼がそれを正しさだと信じ込んでる以上はそれ以上の答えって作れないんだよなぁとしみじみ思った。あと夕子と柏木の別れ話のシーンは柏木の無神経さに虚しさすら覚えた。作中で何回も繰り返される「ちゃんと好き」という言葉の意味を考えている。ちゃんと、とか正しい、とか良い悪い、誰が決めるのかわからないけどね。会いたいと思えれば、ほかに恋人がいても奪い取ろうと思えれば、二番目でも良いと思えれば、そういうのが「ちゃんと」好きなのか。倫理やモラルで測れないから恋愛はなによりも苦しい。


今泉力哉監督作品『サッドティー』予告編

毎日映画を二本観る機械になっている私を母が心配している。