15日休み。郵便局に行ったあと、翌日の仕事のための弁当のおかずを作ってお昼寝をしたら一日は終了していた。お風呂の中で最近買った本を読む。

かなわない

かなわない

 

別れた恋人から勧めてもらった本なのだが、半分まで読んだところで辛くなってきた。家族の在り方、いつも考えてはそのスケールの大きさにうちのめされている。自分の生き方のはね返りが一番よく見えるのが家族だと思う。親はその気がなくても、間違いなく子供は最大級の影響を親からうける(よくもわるくも)。わが子に投げるボールはストレートなのか、カーブなのか、野球ボールなのかテニスボールなのかバスケットボールなのか、そもそも投げるのか転がすのか、誰も正解を教えてくれないし誰も正解を持っていない。周りが悪意なく押し付けてくる「ふつう」や「まとも」に戸惑いながら、恐る恐る、でも力を込めて球を届けるしかない。母親になること、わたしはすごくおそろしいと思う。正解のない問題に向き合うのは、誰だってとても怖い。

 

16日仕事でとても差別的なことを言われる。鈍感にならざるをえないような古臭い職場のぶしつけな言葉にさらされて、全く傷つかない自分とすべてに苛立つ自分が同居している。上司のささやかな一言が魚の骨のように喉の奥にいつまでも引っかかっている。女でいる喜びと苦しみはどう考えてもイーブンではなく、憎むべき相手もわからずただただぶぜんとしていることしかできない。時間がたてばこんなことにも慣れていくんだろう。昔の私は、起き抜けの憂鬱を常に抱いたような表情で、好きでもない男を追いかけたり追いかけられたりしては暇つぶしをしているだけだった。いまはそんな自由もなく、夜毎にむなしさは煮詰まっていき、心の奥底にはいつもあの悲しみの波が残っていて、いつ崩れ落ちたわたしを飲み込むのかと布団のなかでふるえている。

胸いっぱいに、怒りと脂肪を抱えてこれが一体何になるっていうんだろう。実りなんてはなから期待していないから、私は私の正しさを信じて生活がしたい。


椎名林檎 - ありきたりな女

 

17日高円寺にあるうたかたカフェへ。初対面の人の話を聞くのはとても好きなのだけど、情報量と情報の密度がすさまじかった。仕事上ではいつも当たり障りのない世間話がほとんどだったので、本当の言葉を本当の心で使おうとする空間に圧倒されてしまった。知りたがりな性格なので、バックグラウンドをすべて聞きたくなるが、それをするにはあまりに時間がたりなくて、なんとなく消化不良な気持ちを抱えたまま場を後にする。夜はセブンティーンアイスを食べたあと珍しくモスバーガーへ。食べ慣れないものを食べたせいかはたまた冷房のせいかお腹が痛い。