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わかりあうも愛しあうも映画やテレビみたいにうまくいかないのに、それでもあこがれてしまう。仮面ライダーになれないことがわかっているのに、変身ベルトを欲しがる少しだけ大きくなった子供だ。変身ポーズは恥ずかしくてできないくせに、金だけ出して使う日のこないベルトをたくさん手に入れた。

接客業だったからつけられなかった指輪は、お守りみたいに仕事のスーツのポケットに入れて過ごしていた。誰にも言えなかった大切な秘密が山ほどあるから、ひとりが刺さって仕方ない夜も目をつぶって明日の朝までひまつぶしができる。生活は目に見えない透明な粒みたいなもので、私の口元まで上がってきて知らぬ間に息をできなくさせたり、ふいに別の誰かの透明と反射して色を付けたりする。だから私は毎日を愛することはむずかしくてできなくても、折々のタイミングでその色を思い出して、知らない色の輪郭をたしかめては昨日のことのように言葉にすることができる。

やりきれない日でも、男の子に騙されるには私の性格はクセがありすぎた。会うたびに雲の厚さが変わっていた季節のことも、手を握りしめて泣いた夜のあのぜいたくな悲しみも、静電気で舞い上がる髪が日に透けてシーツに影を落としている姿を目が覚めるまで眺めていたことも、世界に一つだけのわたしの宝石だった。

 

この町あの町で寝ても闇の夜に抱かれ 変わることない喜びを重ね続け 

恋と夢と現実は隣町の移動遊園地 明日 朝はやく出かけなければ 

という歌詞が好きでもうかれこれ10年近く聞いていた曲をヤマジがコピーしてるの初めて知った。なんかめちゃめちゃいい曲みたいになってて笑えた。


ヤマジカズヒデ - 移動遊園地(original by 豊田道倫)