久しぶりにパソコンを開いた。ウイルス対策ソフトのアップデートをしている間にそこそこの家事がこなせてしまった。最近は新入社員の教育を任されたりしていてとにかく仕事が忙しい。忙しい方が楽なんてことはあんまりなくて、6連勤が終わったと思ったら休日出勤になり実質10連勤になってしまった。疲れるよりもっとつらいことがたくさんあるからと、気にしていなかったら子宮がバグったのでそろそろ身体の痛みに自覚的になりたい。高校時代の友達と伊豆に行ったり、一度別れた恋人とたまたま再会したり、映画館でナンパしてきた男の子と終電まで飲んだり、社内の先輩に告白されたり、少しずつだけど確実に誰かの人生に飛び火していっている。


Sunny Day Service - 青い戦車【Official Music Video】

誰かが期待する「いつもの自分」や「あなたらしさ」なんてものに脅迫されて生きるより、その時しかない匂いと湿度にだまされながら軽薄だとののしられるほうがましだ。夢の中で食べたごはんの味を再現しようとするような、正解のない望みを誰だって持ってるはず。神奈川のはしっこは思いのほか暑さが厳しくて、私の狭い部屋のなかではひざの裏に溜まった汗がずっとそこにいる。夏になれば楽になると思った、熱い夜が全部をふやかして生乾きの「まあいいや」にしてくれると思っていたし、それを望んでいた。丁寧な暮らしとか愛すべき日々なんてどうでもいいんだよ本当に、田舎のクソジジイたちのセクハラと22:30に呼び出してくる人事が一瞬で今日をクソにしてくれる。酒の席ではさんざん仕事ぶりについて説教を受けた後に「〇〇さんはまじめすぎてみんな一緒にいて息苦しいんだよ。もっと弱いところ見せてくれないと絡みにくいよ!」と言われながら肩を抱かれたので3千円払って店を出た。知ったような口で「本当の自分」を強要するやつのまえで誰が泣くかよ、と思いながら帰りの電車でハンカチがぐずぐずになるまで泣いた。昨日よりほんの少しだけマシになりたいから今日いつもより手が込んだ料理を作った。iphoneの画面割れてたって、冷蔵庫の野菜腐らせたって、カメラロールの元カレの写真消せなくたって、情け容赦ない普通に殴られたってそれでもいい。夏が始まって終わるまで、あと30秒くらいかな。