土曜なんとなく起きてなんとなく準備をして特に計画は立てずに家を出て町田へ向かった。祭りがやっていてどの道に迂回しても神輿に遭遇してちょっと怖かった。あの瞬間わたしは神輿から逃げられず、全方位囲まれていた。回転ずしを食べたあと、ボウリングをした。この町はあまりに娯楽施設がなさ過ぎて休みの日になるとボウリング場があり得ないくらい混む。本当にありえない、80分待ちとか。ディズニーランドかよと思いつつ、併設されたゲームセンターでゾンビを倒したり音楽に合わせてボタンを押したりパンチングマシ-ンで遊んだりしながら時間をつぶした。とはいえ80分は無理。正解は近くの居酒屋に入ってビール飲みながら待つことだったねぇと話した。せっかく大人なんだから。わたしはなぜかボウリングがやたらにうまくて、大体の男性と同じくらいかそれより少しうまいくらいなので、ハンデなしで真剣勝負。汗かいた。二勝一敗だったけど前回勝ち越しされたのでこれで三勝三敗の引き分けで次回に持ち越し。

 

日曜映画HOT SUMMER NIGHTSを観に恵比寿へ。映画自体はほんとしょうもない設定だったので割愛。恵比寿ガーデンプレイスで恵比寿ビール祭りがやっていたのでそこで飲もうという話になるも、爆音で音楽が流れていて、声を張らないと全く聞こえないうえに注文方法が複雑だったので二杯だけ飲んでそそくさと移動。メキシコ料理屋でテキーラを飲みながら話をした。何度か会っている男性と飲んでいたのだが、数日前、彼とLINEでやり取りしていた時に「夜、近所を散歩したよ」と話したところ「男漁り?」と送られてきたことがあり、それがショックだった旨を本人に伝えた。わたしはその人に「どうしてそんなことを言ったの?」と聞いたら「他意はないし冗談だよ。」と言われた。以前もその人に「君は自分だけ大人みたいな顔をして受け流して、何を言っても伝わっている気がしない」と言われて傷ついたことを思い出した。彼は、自分の言葉「なんか」で私が傷つかないと思った、と話していた。

彼はわたしのことを無敵の人だと思っている。ネットスラングとは逆の意味の、「なにもかも持っている」という意味の無敵の人だ。それは本当にくだらない、顔がかわいいだとか教養があるだとか大きい会社に勤めているとか、ほんの少し異性に好かれることが多いとかそんな話だ。そんな理由だけで、何にも揺るがされない、無風で、潤った土地に生えた大木のようなものだと思われている。実際の私は血と肉と情緒の塊だ。わたしは、劣等感をそういう形でぶつけられるのはすごく不愉快で、あなたが思っているよりずっと色々なものに傷つけられたり落ち込んだりしているよ、とだけ伝えた。ルポルタージュという漫画で、主人公が「あなたに誤解されたくなかった」と好きな人に泣きながら訴えるシーンがあった。わたしは、誤解を恐れずにはいられない。大切な人や仲の良い人に対して、誤解されないためのコミュニケーションを、例え不器用でもなるべく真摯にやっていたつもりだった。そしてそれが全く届いていなかったという事実を目の当たりにして、久しぶりに打ちのめされてしまった。四杯目のテキーラを飲み干した後、気分が悪くてめまいがした。少し早いけど帰ろうかといって電車に乗った。

うまくできないこと、わたしにはたくさんある。すぐ冷蔵庫の物くさらせるしExcelも使えないし、ゴミ捨ての曜日だって忘れてしまうし不眠症も治っていないし、泳げない。服を選ぶのだって下手だ。でもマリオカートは上手だし、おいしいカレーが作れるし口紅を最後まできちんと使う。自分の好きな自分の維持だけで手一杯だ。たくさんの「そんなことないよ」を飲み込みすぎて今日は疲れてしまった。もっと書きたいことがあるけど、長くなりそうだから会った人に話そう。


泉まくら 『いのち feat. ラブリーサマーちゃん』 (Official Music Video)