19,20日

卒業にかかわるテストを二つほど。卒論の口頭試験は先生が優しかったせいか思いのほか簡単に終わった。気づけばもう四年もこの大学に通っている。友達らしい友達はひとりもいなかったけど、やりたいことだけやっていた四年間だった。差別主義な友達とは二年生の半ばに縁を切り、書きたくないレポートは一文字も書かずに単位を落とした。ぼっちの強がりと言われてしまえばそれまでだけど、卒業したら否が応でも嫌いな人間に頭を下げ、付き合いと称して自分の時間を奪われる羽目になるのだから、せめていまこの時間だけはと思いながら一人で授業を取り学食でそばを食べ、就活と卒論を終えた。未練があるとしたら学食の200円のかけそばが食べられなくなることとクリーム玄米ブランが98円で買える薬局に行けなくなるくらいだ、卒業するというのはそういうことでしかない。

 

22日恋人の家でイカのゲームをやりながらビールを飲んだ。疲れていたせいもあってか見ていた映画は冒頭の30分以降記憶がない。

 

24日アルバイト先で誕生日を祝ってもらう。ホールのケーキに持ち帰りきれないほどのプレゼントをもらい、売り上げはいつもの2.5倍くらいだった。はきなれない靴で立ち仕事をしていたせいもあり、靴擦れをおこしてしまい帰りはタクシーに乗った。運転手のおばさんのすっぴんがサイドミラーに映り、窓ガラスにはマスカラが落ちて泣いたあとみたいになっている自分の顔が写っていた。

 

26日父の枕元に誕生日プレゼントを置いておいたら、翌朝「妖精さんがね~メガネケースくれたんだ~」とにこにこして話しかけてきた。よかった。

 

28日明日から合宿のため荷造りをしながら岡村靖幸を聴いた。わたしの恋人は岡村ちゃんに似ているとよく言われるのでテレビブロスのグラビアをまじまじと眺めてみた。似てなくはないが似ていると断言はできない。

 明日から二週間山形に行く。恋人に浮気しないでね!わたしも地元のヤンキーに寝取られないように気を付けるから!って言ったら鼻で笑われた。帰ってくるころには街はバレンタイン一色になる。恋愛が主役のイベントはいつでも楽しくて好きだ。楽しみにしながら免許とおみやげを持って無事帰ってきたい。