コンタクトを買った。小学校2年生のときからかれこれ17年もメガネをかけ続けていると、自分の素顔というものがあまりよくわからなくなる。眼科で視力を測って鏡の前でコンタクトレンズをつけたときに、わたしってこんな顔なんだな……となんともいえない気持ちになった。思っていたより目の横幅がせまくて、鼻が丸い。いままでずっと父親に似ていると言われ続けていたが、実際のわたしは父にも母にも似ていない顔だった。いままで自分だと思っていた顔が薄い二枚のレンズで他人のふりをし始める。化粧もそうだけど、自分の顔が変わるのは結構ふしぎな感覚だ。わたしが高校生くらいの時、「本当の私、デビュー」とかいうキャッチコピーでコンタクトのCMがやっていた。いまになってみると、化粧を覚えたり二日酔いで顔がむくんでいたり、顔面に本当も嘘もねぇよなぁと思う。しかしコンタクト、着脱の手間とコストパフォーマンス考えたら圧倒的にメガネのほうがいいじゃんね。

 

会社の人事と面談をした。わたしは自分の会社の人事の一人がすごく嫌いだ。二年ほど前に付き合っていた男の子の出身地を聞かれ、京都ですと答えたら将来良い土地もらえるじゃん、と言われたり少し有名な会社の人と付き合っていたときは「勝ち組だね~」と言われた。きっと悪意はないのだろうけれど、とても品がないなと感じた。些細なことかもしれないけど、こういうのが積み重なってもう四年目になる。潮時かな。すべてが自分にとって優しい社会なんてあるはずないけど、それでも今より少しだけまともなところに行きたいと思った。

 

消費税が10%になった。わたしが子供だった頃には想像もつかない数字だ。正直に教えてほしい、いま世の中は良くなっていると思うのか。酒の席で、会社で、友達に、この話をしたけれどみんなはぐらかすのがとても上手で、たいていの前置きは「でも」だった。わたしは、好きな人たちが少しでも生きやすい社会になってほしいと真剣に思っている。それは変な願い事だろうか。きっと私はこの国であと60年近くは生きることになる。明るい願いを捨てきるには長すぎる時間だ。ああしたらよかった、ではなくどうしたらよいだろうかを大事にしなければいけないな。

 

www.youtube.com