自分の部屋にいると現実にもどってしまう。狭い部屋、実家から持ってきたお母さんの顔を思い出す食器、家とこの町から離れれば離れるほど自由になれる気がしていろんなところで遊んでいる。私はあなたの抱き枕じゃない、私はあなたのサンドバックじゃないし痛み分けの相手でもない。知らないうちに第三者が出てきてどっちも悪いなんて、どっちも悪いわけねぇだろうが。いままでどれだけ許されてきたのか知らないけれど、待ち受けにしてる家族写真、休みの日は家族とディズニーランドで職場におみやげのクランチチョコ買ってくる。ねぇ自分の娘だと思って「色目ばっか使って仕事するから誤解されるんだよ」ってもう一度言ってみてよ。わかんないかな、本当にわかんないのかな、でも本当に本当にわかんないんだよね。不倫を持ちかけてきた社員は私の顔と腰がすきらしい。こんなにわかりやすく消費されている事実があるでしょ。明るく元気な現場社員の意見を聞きたいらしく、来週末は本社主催のイベントに呼ばれたので見る目あんな~と思った!仕事がんばろ。

 

大森靖子が昔から好きだ。なんでかはあまりわからないけど、自分が日頃持ち合わせている悲しみとかふざけんなとか最低最悪無理最高だいすき可愛いふりむいての多くを彼女の歌のなかに見つけすぎているからだと思う。あえて靖子ちゃんと呼ぶけれど、靖子ちゃんのライブを見ていると心が震えすぎて蓋をしていたはずの自分に巡り合ってしまう。バファリンとかでごまかし続けてすっかり傷まないものだと思っていたすべてがもう一度よみがえってきて、ぶり返した熱が冷めずに画面越しに涙が出た。


大森靖子 at 夏の魔物2017年9月10日