人権を手放す瞬間みたいな、生存権を他人にゆだねたくなる無責任な日に限ってセックスをする。自分が人間じゃなくなる瞬間が好きなのだ。自分が自分じゃなくなるときがないと、わたしはつらくて死んでしまう。酒を飲もうが、仕事がうまくいこうがそんなのはなんの満足でもなく正気から少しズレただけで、言葉より五感が優先される時間に圧倒的な自由を感じる。わたしにとって自由とは得ることではなく捨てることだ。抑圧と解放の繰り返しで人は「気持ちいい」の自給自足ができる。お客様への「すみません」と舌の上に残る睡眠薬の味と仕事終わりに飲むグリーンラベルが解放へ向かうための踏台だ。不条理を甘んじて受けるのがそういう理由だって知られないうちはまともなふりして仕事しようと思う。

 

友達の家のシーツが気持ちよかったので同じものを色違いで買った。寝起きに何食べたい?と聞かれて焼肉と答えたら「若いなー」と言われた。化粧品を集めるのが趣味の彼に眉毛を描いてもらった。好きな男に髪を結ばせたり、化粧をさせたり、マニキュアを塗らせる快感をみんな知った方がいい。

 

職場の人に4つあいているピアスホールに指摘を受ける。


GOOD DAY / 舐達麻(prod.GREEN ASSASSIN DOLLAR)