10月末、カネコアヤノとサニーデイサービスのライブを観に渋谷へ行った。ライブハウスに行くのはいつぶりかもう思い出せない、半年前よりももっとか。でかい音で好きな曲を聴いたら、驚くほど涙が出て、失ったものを簡単に取り戻せたみたいな魔法にかかった気分だった。

 

好きな男の子と自宅で火鍋を作って食べた。わたしと体重が3kgしか変わらない、痩せている彼がぱくぱく鍋を食べ進める様子を見てとても幸せな気持ちになった。わたしは彼のために料理をするのが好きで、自炊がとても得意になった。仲の良い男の子たちはたいてい気を使ってわたしに料理をさせずに外でお酒を飲んだりご飯を食べるけど、彼はいつも目を覚ますなり「おなかがすいた、何か食べたい」とわがままに言うので、かわいいなと思いながら包丁を握っている。

 

「本気のしるし」を観にキネカ大森に行った。

 

寒くなって飲酒量が減った。わたしがアル中にならないための唯一のストッパーが「お湯割りが嫌い」という点だ。ただ、寒い寒いと言いながらキンキンに冷やしたグリーンラベルを飲んでいる自分はバカみたいでけっこう好きだ。

 

髪を切りに行く予定だった日、完全に起きるのがめんどくさくなってしまい予定を変更しスーパー銭湯へ。人の裸を見るのがおもしろくてついジロジロ見てしまいそうになるのを必死にこらえている。つくりが一緒なのにこんなに個体差があるなんて、楽しいじゃないか。サウナで観るニュースの情報はいつもより印象に残る気がする。休憩所で一緒に来た友達と横たわっているうちに少し寝てしまった。マスクをつけていて良いことはよだれが垂れてもまわりにばれないこと、それだけである。お風呂屋さんは男女別だから実質一緒にいる時間はたいしたことないけど、なんかすごい楽しいことを二人でしている気分になるよね、と口に出したか出してないか忘れるくらいにはお酒を飲んだ。

 

今までに経験したことのないような頭の痛みによって二日仕事を休んだ。救急車を呼ぼうか迷うレベルの痛みだったが、MRIやCTをとっても何の結果も出なくて、片頭痛の薬を処方されて終わったが、市販の痛み止め含めどれも効かないし、視界がぐねぐねと曲がってきて死ぬかもしれないと本気で思った。映画とかで観る「ウっ、頭が……」ってこんな感じですよとアナウンスされているかのごとく、仕事中も突発的に痛みが出るので持ち歩いているピルケースのにロキソニンを追加した。

 

三日後にちゃんと髪を切った。好きな男の子に写真を送った。切った直後に友達とサイゼリヤでご飯を食べた。おいしいものを食べたりおしゃれな場所に行かないと間が持たないみたいな関係でもないので、ここ数年ずっとサイゼリヤか鳥貴族か日高屋にいるが、それでもめちゃくちゃ楽しい。

 

会社の飲み会。掘りごたつのしたで足をサワサワされて不愉快になる。酔った同期から今日はありがとう!また飲みに行こうと誤字脱字だらけのLINEが届いて笑った。わたしも酔っていたので誤字脱字だらけの返信をしていた。近頃朝晩寒いのでコートを着て出勤したら上司から「かわいいね」と褒められたが、堅物な上司なのでこの人の中に女性に対してかわいいと言う動作がプログラミングされてるの不思議だな……と思ってとっさに反応できなかった。

 

北野武の映画が3作オールナイト上映されると聞いたので池袋まで行った。男女比9:1というあまりに異様な館内に笑ったが、土曜の夜に246席が完売するってすごいよなと思う。みんな暴力を求めてるんですね。ソナチネをスクリーンで観れてうれしかった。映画好きな人は「映画館で観る」ということに重きを置くよね。手をつなぎながら映画を観ているカップルを見て、「そういう内容じゃねえだろ」と思いつつも、彼氏に連れてこられたであろう、歌舞伎町にいるギャルみたいな女の子が手を握ったまま眠ってしまっている姿は愛らしかった。映画が終わってまっすぐ家に帰った。小田急線のホームにはゲロだらけの革靴を履いたサラリーマンがホームで寝ていて、車内にはなぜか小銭が散らばっていた。普段始発の、それも週末の電車に乗らないので、おもしろくて好きな男の子にLINEをしたらちょうど起きていたようで朝の5時にすぐ返事がきた。彼は昼に寝て、わたしは夜に寝るからだ。

帰宅して、鍋の残りを食べて薬を飲んでお昼まで寝た。起きてから部屋を掃除して銭湯に行き、買い物をして帰ってきた。冬のせいかわからないが、乾燥して目がかすむしやたらと目がかゆい。病院に行くのはめんどくさい。

 


Sonatine opening