11日東日本大震災からはや五年。テレビもラジオも新聞もネットニュースも街行く人も、みんな同じ話をしている。震災があってよかった、日頃の生活のかけがえのなさや命の大切さが知れた、と言ったクソ男のことは一生忘れないだろう。そんな形でしか命の大切さが知れないのならそれは貧しいことだ。嘘を嘘だとみんなが気づいてしまい、全部が狂ってしまった国だけど、それでもまだここで頑張りたいと思った。東京、家族、アルバイト、将来の夢、好きなアイドルを守るためにはそれしかない。


THE BACK HORN - 未来

12日つらいことが重なると気持ちが浮ついて強い力を持つものに引っ張られてしまう。そのせいか毎日の映画や音楽が響きすぎて体がもたない。aikoがなにかのインタビューで「もう自分と一緒にいなくても、好きになった人が生きてればいいか、って思ったりする。」と話していたのを思い出した。好きな人ができるたびにアイワナビーユアガールフレンドって思っていたけど、ずっと友達でいてたまに一緒にごはん食べてわたしだけが後ろめたさを抱えてればいいのなら、それもありなのかもしれない。別れた人との似たような色合いの思い出ばかりかき集めて手遊びをしている。姉がリビングで声をあげながら泣いている私を見て「筋トレをするぞ、筋トレはつらいことを忘れさせてくれる」と言ってくれた。おねえちゃん、だいすき。

 

13日祖母の告別式。祖母の骨壺を抱いて自宅へと帰った。いなくなった実感より、はるかにそばにいる実感が強い。親族同士の付き合いは思ったほど苦ではなく、ビールを飲んでいたら終わっていた。私の今後の楽しみは所得税のない給与と一人暮らし先での料理くらいだ。つとめて明るく、楽しく生きることだけ考えて過ごすしかない。

10日いまだに引っ越し先がわからずもやもやとする日々が続いている。今日は日払いのアルバイトだった。疲れ切った帰り道、なにかひとつでもかわいいものを買わないと自分の大切な部分が削り取られたまま戻らない気がして、新しいカバンと時計とDHCのグリーンのアイシャドウとハンカチを買った。別れた恋人の好きそうなカバンと好きなブランドのハンカチだった。こうやって見えないところで影響を受け続ける。仕方ない、人が人を好きになるというのはそういうことだ。嫌いなやつのことはいくらだって忘れてやるけど、大好きな人は絶対に忘れてやらない。こんな形で憎しみより強い愛情を思い知らされる。人がその過程を呪いと呼ぼうがぜんぜんかまわない。随時更新されていく悲しみに負けないようにと、お守りとして持っている愛情を、いつまでも抱いていたいようなすぐにでも手放したいような、どちらともつかないところで道に迷っては持て余している。

 

今日は「桐島、部活やめるってよ」を観た。モブキャラだった中学時代を思い出しては身がよじれそうだった。6人一組の班作りでギャル2人と運動部のエースの男子3人と同じになったときは本気で死を考えた(給食をその6人で食べなきゃいけない)。高校でスクールカースト1.5軍になってからは1軍の孤独も2軍のなれ合いも無くてそこそこ楽だった。軽音部の副会長で特進クラス、年上の彼氏もいたけど音楽の趣味だけが絶望的なまでに少数派だったからカラオケにはあまり行かなかった。モブ以上主役未満になることがハッピーエンドの近道だともっと早く教えてもらいたかったし、映画の中の彼らもそのうちそれを学ぶだろう。終始橋本愛の美しさとバトミントン部という設定の完璧さにうそくささを感じていたが、スクールカースト下位のものから見た上位のもののまぶしさって、あんくらい強かったよなぁとしみじみ思い出した。


映画『桐島、部活やめるってよ』予告編

 人と話すことはインプットとアウトプットを繰り返すことだ。毎週末のように恋人と繰り返してきたやりとりをなくした今、インプットの欲望を満たすためだけに毎日映画を見続けている。

 

23時からはEテレでやっている浦沢直樹の「漫勉」を観た。花沢健吾アイアムアヒーローの書き込みをみて感じていたことがそっくりそのまま話されていてすごくすっきり。それにしてもいつ見ても漫画が人の手で描かれる工程には感動させられる…。皆さんが読んでいる漫画、あれ人の手で作られてるんだよ?やばくない?漫画が500~1000円強の価格帯で買える奇跡にマジ感謝です。Eテレいつも面白い番組ばかりやっていて、引っ越したらEテレと嵐の出ている番組しか見なくなる気がする。

9日昨夜はTSUTAYAで借りていた「ジョゼと虎と魚たち」を観た。恋愛の幸せの陰には必ず泣いている人がいることを思い出した。わたしが切り捨ててきたたくさんの男の子たちと、わたしから男の子を奪っていったたくさんの女の子の顔が思い浮かぶ。ジョゼの執着と諦めの具合に恒夫が惹かれていくのもわかる。人はあんなに色々な物を諦めて生きていけない。恒夫は自分がジョゼから逃げたことを「もっと良い人がいる」とか「お互いのため」とかいう大義名分に預けずに受け入れただけでも、十分に賢くて優しい男だと思った。優しさとは自分の幸福の後ろに泣いている人がいることを忘れないことだ。余談だが映画のなかで妻夫木くん演じる恒夫が身に着けていたアイテム(モッズコート、グレーのパーカー、ぼろぼろのジーンズ)が別れた人のファッションそのものでちょっと泣いた。一人で部屋にいて何もしないでいるとどんどん涙が出てくるので、自分のメンタルを自分で調整するために毎日のように映画を観たり引っ越しのための準備をしている。

 


ジョゼと虎と魚たち 特報

 

ふと思い立ちくるりのベストアルバムって何年前にでたんだっけな、と調べなおしたらなんと10年前。当時12歳だった私は「ハイウェイ」と「How To Go」ばかり聴いていたのを思い出した。岸田繁が既婚者であることにショックを受けていたのもこの頃だが、いまは間違いなく達身一択なので傷は癒えるし好みは変わるものだ。

ベストオブくるり/ TOWER OF MUSIC LOVER

ベストオブくるり/ TOWER OF MUSIC LOVER

 

 

この日の夜は「横道世之介」を観た。月9で高良健吾演じる練くんを観ていてあまりにつらくなり、「明るい練くんが見たいよ…」と思い借りてきた。全160分、人に紹介するにはあまりにコンパクトさに欠けるがあたたかみのある映像と、高良健吾演じる横道世之介が関わったたくさんの人を幸せにしていく姿を見て、そのあまりの天使っぷりに完全に心を奪われ2ループしました。吉高由里子のお嬢様言葉には違和感があったけど、ハンバーガーショップやプール、海や大学やお互いの実家、住んでいるアパートや病院、バスの停留所といった様々な場所を共有していく姿が、恋人同士なら当たり前なのだろうけどすごく特別に感じられて胸がきゅうとなった。


映画『横道世之介』予告編

 

引っ越し先の近くにTSUTAYAがあるといいなぁ。母には「ネットで選んでポストで返却」のやつでいいじゃん、と言われましたが、私はパッケージとかタイトルとかに惹かれてディスクを手に取りたいんだよ…。と言ったら姉に「世の中にはこういうやつが一定数いる(から実店舗がなくならない)」といわれた。CDショップとかもそうだけど、守りたい場所にはどんどんお金を落としていこうと心に決めている。

7日朝起きてひとしきり泣いてから化粧をした。食欲が戻らず、けっきょく何も食べずに予約していた脱毛サロンへ。30万もかけて全身ツルツルにしてなんの意味があるんだろう。恋愛が終わった後に自分磨きにいそしめる人が本当にうらやましい。わたしは自分のために努力するのが苦手な人間だ。TSUTAYAでだらだらDVDを吟味した後はアルバイトへ。気合を入れて出勤したのにめちゃめちゃ暇だったので早上がりになった。いつもはタイムカードを切るのが23時を回るので電車の中では疲れて寝ていることが多いのだけど、今日は22時前に電車に乗れた。眠くならなくて東京から千葉の片田舎へ動き続ける景色を目で追っていた。東京は本当に見晴らしのいい地獄だ。全ての人に黒歴史と後悔を与える美しい街のなかで、なんとかうまくやらなければと立ち回っている。

 

8日祖母の訃報でたたき起こされた午前八時。父にそっくりな顔をした祖母の遺体に触れて、人の体は本当に入れ物でしかないな、と強く感じた。死んだ人に触れるのは10年ぶりくらいだった、驚くほど軽い肉の塊は徐々に弾力がなくなっていって気づいたらもう葬儀業者が病院に着いていた。祖父が買い貯めていたボンタン飴とキャラメルと都こんぶを一口も口にすることなく祖母はいなくなっていった。遺体のある部屋でお金の話をするのに耐えられないのは私の心が弱いからだろうか。春のようなあたたかい日差しのなかで、ドライアイスを重ねられた祖母のくちびるだけが色を失っていく。


麓健一「葬列」

この日は飼っていたヤモリも亡くなり、この二週間のあいだで恋人と祖母とヤモリを失った。恋も勉強も仕事もうまくいきたいから進研ゼミでもはじめようかな。死ぬのは二度と会えないってだけだよ、それ以上でも以下でもない、と何かの漫画で聞いたけどこんな形でその意味を思い知らされるとはおもわなかった。

5日一週間ぶりのアルバイト。いつもと変わらず、笑顔で、優しくて丁寧な従業員でいられた。久しぶりに会うお客さんに痩せたねと言われたので、ダイエット成功したかなとだけ答えておいた。タイムカードを切ってからいつもと同じように駅まで歩き、いつもと同じ電車に乗る予定だった。いろいろあって丸二日ほぼ何も食べていなかったせいか手が震えて携帯電話を駅のホームの端に落とした。拾おうと前かがみになって手を伸ばしたとき、ヒールでバランスを崩してホームに転落した。幸い電車はきていなかったので駅員さんにすぐ助けられたが、人はこういうときにも死ぬことがあるんだな、と思った。帰りのバスのなかで、恋人と会うためにあけていた明日の休みのことを考えたら涙が止まらなくなり、ひとつ前の停留所で降りて歩いて帰った。

 

6日夕方から友人とご飯を食べてカラオケに行った。

昨日ちょっと泣いちゃったからぁ

今日は誰にも会いたくないなー

パンのジャムも服についちゃってあーあ女の子ってむずかしー

いっつも元気なんて無理だもん、

でも新しいワンピでテンションあげて一生無双モードでがんばるよ!

君もかわいく生きててね

大森靖子/絶対彼女

「絶対彼女」の間奏部分にあるセリフをマイク越しにつぶやいていたら涙がにじんできた。一人でいると何百、何千もの「あの時こうしていれば」に追い詰められて眠れなくなる。幸せな時間が長ければ長いほど、その終わりには特大の不幸が口を開けて待っているとわかっていたはずなのに。


aiko-『プラマイ』music video

 

二週間後にはひとりで土地勘のない町で生活しなくちゃいけない。できるかできないかじゃなくてやらなければいけない。逃げるなんて選択肢ははじめからもらえていなかったのに、自由ぶっていたのがはずかしいな。

28日恋人と一緒に表参道で家具やメガネや服やぬいぐるみを見た。わたしは決め手に欠ける人間だと言われて生きてきた。そこそこなんでもできるけど何かこいつは違うな、と思われて最終面接で落とされるタイプの人間だ。それでも、この人に投げていたボールが返ってこなくなる瞬間がくるとは思えなかった。22年間、わたしが頑張って作ってきた私自身が、大好きな人の将来を邪魔するものでしかなかったのなら、もうやめなければいけないのだなと思った。

 

僕には乱が光って見える

光が見えるんだ

そこにいるだけでまわり中何にでも伝播する光だ

景色も音も

ものの味も突然鮮やかになって

乱の足音で生まれ変わる

 

乱と灰色の世界3巻のなかにある鳳太郎のセリフの通りのような恋愛だった。


宇多田ヒカル - 光

 

29日前日の痛みをひきずり、朝にいちごを一粒だけ食べて(吐いたけど)成田空港へ向かった。今日は友人と約束していた旅行の日。飛行機の到着が遅れて予定より一時間半おして成田を出発。飛行機内では半分くらい泣いて半分くらい揺れに酔っていた。食欲がなかったので沖縄そばを3口ほど食べてホテルに戻りハーゲンダッツオリオンビールで夜ご飯をすませた。

 

1日美ら海水族館へ。免許とりたてだったのだが、タイトなスケジュールのためビビる余裕もなく高速道路を100キロ弱で運転する。サメのいる水槽の前でぼんやりしていた。

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Instagram

漫画みたいな写真が撮れた。遠近感といい子供やカップル、携帯電話の画面の映り込みといい我ながらすごい。午後はシュノーケリングをして、泣きながら友人になまこをぶつけたりした。食欲がすこぶるないのでオリオンビールブルーシールのアイスを食べた。

 

2日朝からジンベイザメと一緒にシュノーケリングするアクティビティを予約していたので6時に起きる。引き続き食欲がなく、シュノーケリングのスポットまで向かう船に酔い、泳いでる間は波に酔い、グロッキーなまま午前中を過ごす。シャワーを浴びるために向かった先ではナビが間違っていて行き止まりの箇所に入ったり一方通行のところに逆方向から入ってしまい初心者には厳しすぎる状況に陥り死にかける。やちむん通りではいつもの癖で恋人へのお土産に猫の書かれたお皿を買ってしまった。心では認めたつもりでも体が納得していないのがひしひしとわかる。お土産を買ったり、良い写真を送りそうになったり、こんなのがいつまで続くのだろうとつらい気持ちになった。

https://www.instagram.com/p/BCZTkaPNehZ/

ちんこすう

ちんすこう味のブルーシールアイスはおいしいバニラの味しかしなかった。帰ってきて自分の部屋の電気をつけたらふられた日と何も変わっていなくて、胸を痛めながら荷解きをした。

 

3日心配した友人がうちに遊びに来る。スプラトゥーンをやりながら、別れた旨を報告した。母には男は星の数ほどいると言われたが、私が付き合っていた人は、間違いなく私にとって代わりのないものなのだ。

 

4日住民票記載事項証明書を市役所にとりにいった。内定先に提出する課題と書類を記入した。4月から着るスーツをオーダーメイドで作った。引っ越しのために本棚の本をすべて段ボールに詰めた。別れた日に恋人が選んでくれたメガネを買った。

20日バイトが夕方までだったので食材を買って恋人の家で料理を。ごはんを作るのは生活に根付いていてかつ達成感を手軽に得られるので、ストレス解消にはもってこいだな~と思いました。疲れていたせいか12時前に就寝。基本的に寝るのと暴言を吐くのと掃除の3つで精神の健康を保っているので我ながら安上がりだなと感じる。

 

21日恋人が作ったご飯を食べたり朝6時にクラシアンを呼んだりした(水のトラブルが発生)クラシアンの頭文字、CでもKでもなくQなんだよと恋人が教えてくれた。クラシアンを呼ばなければ一生知ることのなかった事実だろう。トラブルを解決してくれたおじさんからもらった名刺に「テクニカルアドバイザー」と書かれていたが、いやあんたアドバイスじゃなくて実際に作業してたやん。作業員やん、と突っ込みたい気持ちをグっと抑えアドバイザーとしての彼に感謝の意を伝えた。自宅への帰り道では恋人が「自分がいかにいちご狩りが嫌いか」について長々と話してくれた。わたしはいちご狩りが好きだ。

 

22日そういえば月曜9時のドラマ、最初のうちはしみったれた絵面だな~~と思っていましたが(なんせ前クールの山Pと石原さとみが派手すぎて)回を重ねるごとに感情移入しています。

というのも高良健吾の演じる練くんの出身地である福島の猪苗代湖周辺、あれが私の母親の実家とどんぴしゃりなんです。練くんが猪苗代湖の美しさを話し、そこに好きな人(有村架純演じる音ちゃん)と一緒に行きたい!と思う気持ち本当にわかります。あの二人はお互いの過去やバックグラウンドを話す機会が圧倒的に多い。木穂子ちゃんの前での練はぜんぜんそんなことないのに。

hiko1985さんのブログにも書かれていた練と音の平行線の関係についても、木穂子ちゃんと練と音の三人を通り抜けた車が真っ二つに裂いていったり、バスに坐るときも隣や後ろに坐らず反対の座席に座るあたり(これは芋煮のときの座席もそうでしたね)から、重ならなさをこれでもかというほど強調してるな~と思いました。今週は震災後の東京がメインになっていましたが、福島を描く機会はくるんでしょうかね。

 

23日昨晩バスの中で定期入れを落としてしまったらしく、バスの営業所まで忘れ物をとりにいった。しかし本人確認とかもなにもなく、電話で連絡したら名乗ってもいないのに「〇〇(私の名前)って書いてあるやつであってますか?届いてますよ」と言われたのでおいおいずさんだなコノヤローと思いながら窓口まで向かった。普段乗らないバスに乗る緊張感を楽しみつつ、グーグルマップを頼りになんとか定期入れをお迎えすることができた。

https://www.instagram.com/p/BB4BEzZNeo4hOTNJsHK0ih8PgDs5XUpClf_DBY0/

たぬ公

疲れて帰ってきたらたぬきケーキがありました!みなさんたぬきケーキご存知ですか?説明するのがだるいのでこちらのウェブページを見てください。

matome.naver.jp

たぬきケーキという安直なネーミング、とにかく圧倒的な可愛さ、老若男女に愛される普遍的なビジュアル、どこをとっても最高としか言えない。なんちゃらフロマージュとかなんとか・オ・フレーズとかよくわからないのはもういいんです。たぬきの形をしているケーキだからたぬきケーキ、それでいい。