7日姉と一緒に細野晴臣のライブを観に表参道まで。自分のなかでもはや空想上の生き物と化していた細野晴臣だったけど実際はチャーミングなおじさんだった。しゃべるのがめちゃくちゃ上手だし、言葉遣いがとてもきれいでかっこよかった…。歌声はCDで何千何百回と聴いてるからか歌声より話し声のほうが印象に残っている。そして改めて星野源細野晴臣のようになりたいんだろうなぁと強く感じた。テレビブロス細野晴臣×星野源の連載を読んでいる身としてはなんか感慨深かった。

 

8日わたしはお仏壇屋さんで働いているのでこの時期非常に忙しい。仕事のやりがいが~なんて話はさらさらする気はなく、ただ毎日誰かしらの不幸に面しながら生活のための金を稼いでいる。人の悲しみにふれるのはまだまだ慣れず、触れた部分から少しずつ心が毛羽立っていくのを感じる。その人の好きだった色、良く作っていた料理、楽しかった思い出、その全部がかつて線だったはずなのに、一瞬で未来につながらなることのない点になるのが耐えられない。どうして悲しくなり、どうして悲しくなくなるのかを考えていると気づけば一日が終わっている。働くことへの疲労やお金への執着よりはるかに多い絶対解けない問題への疑問だけが膨らんでいって、友人からはうつ病の疑いをかけられている。

 

9日以下最近読んだ漫画です。

トーキョーエイリアンブラザーズ 2 (ビッグコミックス)

トーキョーエイリアンブラザーズ 2 (ビッグコミックス)

 

 楽しみにしていた二巻。冬ノ介と夏太郎が人間らしくなってて楽しい。冬ノ介が無意識のうちに「自分は兄より優れている」とおごっているあたりとか前から人間らしくてかわいいな~と思っていたけど今回はその辺がかなり顕著にあらわれていてよかった。人間の美しい部分と汚い部分を兄妹でわけあっている感じが印象深かった。

きらめきのがおか(1) (ヤンマガKCスペシャル)

きらめきのがおか(1) (ヤンマガKCスペシャル)

 

 田舎から出てきた女の子がアイドルを目指すっていうもう何百回と繰り返されていそうな設定だけど、なんだか読んでると元気が出るのはゴトウユキコの線の強さだと思う。「水色の部屋」みたいなじめっと感がなくてほんとに同じ人が描いてんのかな~と読むたびに思う。

キャラクターに惹かれないっていう点を除けばおもしろかった。主人公のカノンちゃんは好きな先輩の遊びに来るケーキ屋に録音器をしかけたり、使っていた(と思われる)割りばしの袋を持ち帰るようなやばい子だし、どう考えてもハッピーエンドの香りはしないのだけど一巻の終わり方があまりに気になる展開だったので二巻の発売を待つ。

 

10日暑さのせいか食欲が夜になると急に落ちてビールを一杯飲んで冷やしたトマトを食べたらおなかがいっぱいになってしまった。姉と買い物に行ったときにあと一歩太ったら絶対に履けなくなる!みたいなデニムを買ったので少しやせるくらいでちょうどいいか。

 

natalie.mu

同じ時代に生きていてよかった、と思う数少ない人物です。大切なことはすべて宇多田ヒカルから学んでいる。

19日慢性的な吐き気と胸やけ、頭痛と職業病の腰痛をだっこにおんぶして働いている。社会に出てから二か月と半分ちょっと。病名がつくのも時間の問題だと思う。心より何倍も体が疲弊していて、外回りでほんのり日焼けした肌はまだまだ頼りない。八時間以上働くのがこんなにしんどいと思わなくて、amazonで買った漫画と食費を一万五千円のなかに収めるための自炊だけが私の休日の大半を占めている。嫌な上司も同僚もいなくて、好きな男もおいしい飲食店も何もない僻地ではクマがラーメン屋に突撃したり電車で寝過ごした女性が乗り合わせた男に監禁されているらしい。自分の知らないところでいろんな話が進んでいる気がして焦ったりするけど、セックスもせずに毎朝8時に起きる生活もたまにはいいよね、ずっとはやだけど。幸福になるためのコンテンツに手を伸ばし続けてたら少し疲れたから、新しいバンドのCDも大好きだった人の今の彼女の名前もとりあえず忘れてばんごはんの準備をしよう。

 

着たくもないオフィスカジュアルはたしかに正しくて美しいけど、もっと肌色の面積の多い私服で街を歩きたい。はやく元気になりたいけど、しおらしくいたらモテるかもしんないしポジティブにやるっきゃない。梅雨の空気もしないし、夏に向けてまたダイエットでもはじめようかな。最近と言えば別れたばっかりの男と口論してほどほどに絶望したりクックパッドのレシピで豆乳カルボナーラ作ってるだけだったので、なにか楽しいことを探しに行くための靴でも買おうか。平たく言って最悪な夜を毎晩過ごしているけど、0か100の瀬戸際で何千何百何万回と自分をはげましてやってきた。わたしは私の「かわいい」を守るためだけに働いてごはんを作っているだけだから。もういまさら特別な何かを得ろうだなんて思えないし、これ以上失わないための努力をはじめよう。


Everyman,everywhere

昆虫キッズによせて

昆虫キッズ、バンド名といいメンバーの名前(高橋翔、冷牟田敬、のもとなつよ、佐久間裕太)といいメンバーのビジュアルと言い本当に美しくてバランスが良い。

昆虫キッズに初めて出会った16歳の春、もうあれから6年もたった。千葉の片田舎に住んでいた私がバイト代でチケットを買い、開演時間に間に合わせるため着替えることもなく学校帰りにライブハウスに行くようになったのも、このバンドのためだった。知り合いが一人もいないライブハウスで昆虫キッズを観て、誰にもわかってもらえないと思いながらずっと音楽を聴いて毎日過ごしていた。暗くあれ、若くあれ、美しくあれ、書を捨てずに町に出ようと音楽から学んだ。

渋谷HOMEと新宿Motionをハシゴして一日二回ライブを観たり、栃木のライブハウスまで追っかけて観に行ったら出演バンドの半分がコピーバンドだったりした。メンバー全員人見知りで、MCのへたくそな変なバンドだった。それでもどんな音楽より腑に落ちて胸の中を占めていて圧倒的にかっこよくてたまらなかった。言葉にしたらそれだけになってしまうけど、昆虫キッズはわたしにとってただただひたすら特別だった。だいすきでだいすきで、しかたなかった。

冷牟田王子の甘いためいきをかためたような声で歌うシンデレラが聴けなくなるのはすごくさびしい。昆虫キッズを聴いて歩いたときにみた都心のネオンが、いまでも私の中の「東京」のすべてとして、更新されることなくとどまり続けている。


昆虫キッズ / WIDE (from DVD "BLUE GHOST remind")

彼らは私がいままでで一番時間とお金と愛情を費やしてきた、夢と悲しみの魔法がかかった愛すべきバンドだった。

昆虫キッズは壊れてしまった機械のような、電池の切れたおもちゃみたいな、輝かなくなったものの奥にあるほんの一筋の光とか美しさをうつしだそうとしているように見えた。幻で終わればよかった、とこのバンドに対していう人もたくさんいるけど私はこの美しいファンタジーを作ってくれたバンドのことをずっとずっと、昨日のことのように思い出したい。

なにより私は、昆虫キッズがすきな自分のことがすきになれて本当に幸せだった。

27日泊まりに来ていた友人と町田で買い物をした。この日恋人にあげようと思って買った黒いTシャツは渡せないまま今に至っている。前に付き合っていた人と別れたときもそうだった、プレゼントの大半は渡せずじまいで、わたしはいつも誰かのための物と一緒に暮らしている。

 

2日6連勤の果てに熱を出す。頭が痛くて起き上がれないまま18時まで夢と痛みのあいだを行ったり来たりする。ぼんやりとここ数日のことを思い返した。今まで生きてきたなかで一番うれしかった言葉は「悲しいままでいいよ」だった。尊くてかけがえのない瞬間なんて山のようにあった。それでも、穏やかに生きたい人にとって恋愛はあまりに厳しすぎると知った。他人につけられた傷を後生大事に抱えて、人一人と満足に付き合うこともできず、私は何がしたいんだろうといつも思う。もっと寄り添って、もっと未来を愛していかないと何も生み出せないと常々思う。ここじゃないどこかへ、をやるにはもう年を取りすぎたことにもっと早く気づいていればよかった。

 

6日上司と飲みに行く。回らない寿司を人生で初めて食べた。ネットで買ったMWと先生の白い嘘を読んで休日は終わった。 

 

 

7日仕事で初めて一人で成約をとった。仕事は前に比べればつらいことも少なくなった。早起きが苦手なせいで昼間眠いのをのぞけばそんなに苦しいこともない。繁忙期に向けて少しずつ仕事の量が増えていく。

www.youtube.com

言葉にならないような無数の声に追い立てられて、一人の部屋のなかで裸の上からうしろめたさを着て過ごしている。身体が重いのは梅雨のせいにしておけばなんとかなる気もしなくもない。

30日朝一、なぜか起床時間に上司からモーニングコール。想定外の事態が発生し電話をとってから10分でスーツに着替えて家を出て納品に同行する。車のなかで眉毛を書きながら半分寝ていた。11時間の労働を終え、帰宅してから部屋の掃除をしていると別れた人の写真がぽつぽつと出てくる。写真に写っているかつての恋人の不愛想な顔と、それを撮っていたときどんなに幸せだったかを思い出すと、自分の内側から零れ落ちるようにかなしみが湧いてくる。今泣いているのはこの瞬間の悲しみなのか、かつて悲しかったことを思い出して泣いているのかわからなくなる。思い出に泣かされる不毛さなんてずっと前からわかっていて、腐ることもただれることもできない生活のなかでいったい何に向き合っていけばいいのかわからない。明日の仕事のことと毎日食べるごはんのことだけ考えていられれば、こんな痛みの中で踊り続けることもなかったのかもしれない。


[AUDIO] 宇多田ヒカル Utada Hikaru - 桜流し (Sakura Nagashi) (With Lyrics)

 

1日五十嵐大介のディザインズをいまさら購入。

ディザインズ(1) (アフタヌーンKC)

ディザインズ(1) (アフタヌーンKC)

 

 相変わらず美しい絵だなと心奪われつつ読む。職場から自宅までの間にローソンしかないので本屋やTSUTAYAに行く機会がなくてとてもさびしい。都会から外れた場所に一人暮らししていると簡単に文化的なものから遠ざかることができる。生まれ育った場所がこういうところだったらそりゃマイルドヤンキーにもなるよな、と思いながらコンビニとラーメン屋のまえで座りながら煙草を吸うギャルたちとすれ違う。

 

2日仕事終わりに新宿で同期とごはんを食べた。貧乏性なのと、外食を続けると肌が荒れる体質のせいで久しく外でごはんを食べていなかった。エビのアヒージョ、牛すね肉のワイン煮込み、鴨のローストを食べながらワインをしこたま飲んで仕事の話だけをして帰宅した。新宿でやっていたライブイベントに行こうか迷ったものの、自分の聴きたい音楽だけを楽しみたい気分だったので帰宅して一十三十一を聴きながらシャワーを浴びた。


一十三十一 『Stardust Tonight』

 

3日立ち仕事の4連勤というのは思ったよりもはるかにつらくて、昨晩のアルコールのせいもあってか珍しく11時まで眠ってしまった。ふられてから二か月と少し、初めて夢の中に別れた恋人が出てきて、目が覚めた後も魔法にかかったようなけだるい幸せのなかから抜け出せずにいた。起床してフルーツグラノーラ(ヨーグルトで)を食べてニュースを観ていたら夢の続きを望むかのようにソファに座ったまま寝ていた。同期からボディビルの大会を観に行こうと誘いが来ていたけどあまりに元気がなかったので丁重にお断りした。夜はたまごの入ったうどんを作って食べた。


Suchmos ”GIRL feat. 呂布”(Official Music Video)

25日会社の研修。焼酎とビールを延々と飲みながら下ネタを話していた記憶がおぼろげにある。両サイドに座った女の子たちがしなだれかかってきて、その重さがすごく心地よかった。この日は給料日、30万弱支給されたけど使い道が思い浮かばなくてamazon午後の紅茶無糖を2箱買って終わった。

28日女友達と一緒に恵比寿で遊びまわる。立ち寄った本屋で安野モヨコの新しい漫画を購入。わたしはこういう、幸せな人物が誰もいない漫画が好きだ。帯に書かれた「他の女のとこに行かれるくらいならお金を払った方がまし」。女でいる地獄も男でいる地獄もみな等しい世界に生きていられることは喜びでもあるし、同じくらい苦しいことでもあると思う。

鼻下長紳士回顧録 上 (フィールコミックス)

鼻下長紳士回顧録 上 (フィールコミックス)

 

 

はやく続きがでないかな~。


aiko-『夢見る隙間』music video short version

29日昔は目に見えるものがほしくてたまらなかった。ほしいCDも好きな男の子もかわいいピアスも手に入れないと仕方なかった。年を取るにつれて優しさだの愛だの安定だのぼんやりしたものを求めるあまり、つかんでもつかんでもこれじゃないと泣きながらゴミの山をあさり続ける日々を過ごしている。昼間の穏やかさと夜のむせかえるような濃いさびしさの隙間を埋めるように、退社後スーパーの総菜売り場でれんこんの天ぷらとアナゴの天ぷらの前をうろうろしている。aikoの新しいアルバムと給料日だけを楽しみに過ごすだろう。

 

15日祖父の訃報により入社して二週間弱で忌引きの申請方法を覚えた。三月に祖母を亡くし、それからひと月と少しで父の両親は二人ともいなくなってしまった。家族という形についていつも考える。テレビでやっているドラマのようにうまくはいかず、狭い3LDKのなかで私たちはいくらでもこじれてしまう。今まで家族としてやってきたことへの自信なんてなにもなくて、22年やっても他人は他人であることを確認し続けるだけの日々が続いている。

18日四日ぶりの休み、新宿のルミネを一周してもほしい服が全然見つからなかった。神奈川県に引っ越してからというものの、買い物は100円ローソンしか行かないので久しぶりにでた町中は情報量が多くて歩きづらく、とても楽しかった。普段なら絶対食べないものを食べたり、行かない場所へ行ったり着ない服を着るのは楽しい。新しく手に取るものなかに不安や期待や執着を見つけるたびに自分のバックグラウンドを見つめてしまう。過去にとらわれて生きられるくらいの美しい過去を山のように持っているから、新しいものなんて何も手にしなくても正直やっていける。それでも前に進まないと気が済まないから、働いたり新しい料理を作ったりせずにはいられないんだと思う。

19,20日葬儀と告別式。滞りなく終了。人によっては不謹慎だととられるような内容で笑いが起きたりもした。久しぶりに会った父と母は思ったよりも元気そうだった。ひと月ぶりに帰ってきた実家からビートルズのボックスセットを持ってきた。ビートルズで一番好きなアルバムは「ヘルプ」だというとたいていの場合同意は得られないし一番好きなのはジョージの書いたこの曲。


The Beatles ~ I Need You ( Lyrics )

21日朝いちで美容室に。毎回ギャル男みたいな人にヘアカラーをされるのがつらいのでそろそろ引っ越し先の近くで良い美容室を見つけたい。