2019年やってよかったこと、もの

 

・ジェルネイル

爪がツヤツヤになるし割れない。マニキュア買わなくてもいろんな色ができる。コスパがあんま良くないのと、爪がのびてくるとむかつくので来年もやるかはわからない。自力でできるようになったらすごく良いなとは思う。

・髪を短くした

大学生のときからず~~~~~っとロングだった。5月に急に思い立って20cmくらい切ったらめちゃくちゃ似合っていたので今年はそれ以降ずっと短めにしている。頭が小さくて首が長いので基本どんな髪型でも似合うけど、あごちょいしたくらいのボブが一番楽。次はピンクに染めたい。

・NITORIのポスターフレームとランチョンマット

でかいポスターをおそろいのフレームに入れて壁に並べてかざると映画館の上映中作品一覧みたいになって楽しい。今は西村ツチカさんのイラストと映画ハッピーアワー、スカートの「遠い春」のポスターを壁に入れている。あと単純に画鋲の穴があかないので嬉しい。ランチョンマットは、すぐ煙草の灰を落とす子がいるので、遊びに来た時に灰皿の下に敷くと便利ということを学んだ。

午後の紅茶無糖

amazonでケース買いしている。うまい。どんな食べ物にでも合う。常温でも冷やしてもうまい。

発泡酒(金麦かセブンイレブンのオリジナルのやつ)

近所のスーパーで6本入りが税込み600円しないくらいで買える。自分一人のときは別にビールじゃなくてもいいかと思うようになってきた。白菜と豚肉をくたくたに煮たやつと一緒によく飲んでる。

・コンタクト

コンタクトにしたら好きな人にかわいいと言われました!!

・新宿の猫カフェにいるこんぶちゃん

暴力的なかわいさ、犬派ですが本当にこんぶちゃんは別格。エキゾチックショートヘアと言う品種らしい。

・休職

精神衛生上むちゃくちゃいい

先週姉の披露宴に出席した。今年の大きいイベントはこれでおしまい。わたしは三人兄弟の末っ子で、3つ上の姉と5つ上の兄がいる。子供のころの記憶はあいまいで(そもそも子供のころっていつまで?)、わたしは別に上の兄姉と仲良くも悪くもなかった気がする。父親のことも兄は割り切っていたし、父と姉は仲が良かった。その頃、お小遣いで買った青いリングノートに毎晩日記を書いていた。どうして自分だけ暴力をふるわれたのかとか、うちはいつ離婚するのだろうとか、死にたいとか、家に帰りたくないとかそういう内容だった。一度だけその日記を引き出しに入れるのを忘れてしまった日、夜更かししてばかりのわたしの様子を見に来た母親が寝たふりをしているわたしの傍に置いてあったそのノートを開いてしまったことがあった。それ以降わたしは紙での日記を書くのはやめた。

 

姉は姉でわたしのことが苦手だったと思う。いまでこそかわいい妹として扱ってくれるけど、この関係は同じ家のなかでは成立しなかった。わたしは姉の我慢やプレッシャーや、わたしにばかり向いているようにみえた母親からの愛情(そのほとんどは父親がわたしに行ったことに対する罪滅ぼしからくるものだろうけれど)を理解する気はなかったし、いまでもそのことについて対話することはできても理解や共感はできないと思う。

 

違国日記の5巻を読んだ。朝は他人と自分の境界線がゆるくて、自分の感情を他者が完全に理解することを強く望んでいる。そしてそれを「ふつう」という言葉で表現したりする。普通こうじゃん、と。わたしはたまたま感情に問いかけをして分解する作業を教えてくれる人と付き合えたから、感情にはバックボーンがあって、生まれそだった環境も性別も年齢も、学んできたことも違う人間同士がそれをわかりあおうなんて果てのない作業だということに早々に気づけたけど、そうでなかったら今の人生に対してもっと苛立って、もっと許せないものが多かったと思う。なぜ悲しいのか、なぜ怒っているのか。わたしの感情にはわたしだけの都合とわたしだけの理由がたしかに存在しているのだ。自分の感情というのは、誰かに向けて言葉にするときに生じる歪みも誤解も一切なく、自分の心のなかにだけそのままの形で存在させることができる唯一のものだ。それを孤独と思うか、自由と思うかは人によって違うけれど、わたしは年をとるにつれて後者に変わっていっている。

 

姉は披露宴の日、今までの人生で一番美しかった。わたしにちっとも似ていない顔の姉。話は逸れてしまったけれど、姉の結婚をとても喜ばしく思う。それと同時に、わたしはたとえ建前だとしても、あの家庭に感謝して一抜けすることはしないだろうなと思った。できないわけではない、でもそうしてしまったら、きっとわたしはその事実に一生傷つけられる。時間でも諦めでもないなにかがいつかわたしと折り合いをつけてくれることを願っている。

違国日記 5 (フィールコミックス FCswing)

違国日記 5 (フィールコミックス FCswing)

 

違国日記、いま連載されている漫画で本当に一番良いと思うので全員読んでください。

2,3年前の冬に書いた記事が下書きに入っていたままだったので投稿します。

 

友人たちが私を励ましに自宅まで遊びにきてくれた。一人は大阪から。一人は千葉から。みんな、自分の理想の100点の恋愛をあきらめられなくて苦労している。

一時間と少し車を走らせて神奈川のはじまで温泉に入りに来た。道中はコアラのマーチ。田舎町の温泉は地元に住む老人だらけで、平日の昼間、私たちの裸は若すぎて少しだけ浮いていた。風のない冬の日は陽が傾くのが早く、落ちてきた日差しを浴びた左頬がちりちりと暑かった。自宅までの帰りに湖に寄って、シャッターの閉じたおみやげ屋さんの通りを歩く。機関車トーマスの遊具に200円払ったら「しゅっぱつしんこう!」と叫びだして、死ぬなら今だと思うような夕日を分厚い防寒ガラス越しに眺めて、石油ストーブの燃える音とわたしたちの笑い声だけがさびれたゲームセンターに響いていた。二時間ほど車の中に放置したアルフォートは溶けて、船はチョコレートのなかで難破した。

自分の切実さを自分で肯定することができたならどれほど豊かな人生だっただろう。透明なセロテープのはじまりが見つからなくなるように、どこから間違えてしまったのかさかのぼって探したってわからない。帰り道にスーパーで恵方巻を買って、アイフォンで北北西の向きを調べているとき、あぁ、わたしは本当につらいんだと実感した。日頃だったら気にもとめないような些細なものが気になって、すがりたくて、少しでも楽になりたいんだと。憎しみは悲しみより持続しないからすぐに忘れて許すことができるってわかっている。でも許す気持ちよさも、許される気持ちよさもいらない。そうしないことを選んでいるのが、私のゴミカスみたいで社会からしたらなんの意味も必要もないささやかな自由だ。


fishmans / いかれたBaby

自分の要領の悪さに傷つきながら毎日精一杯仕事をしている。仕事の合間に更衣室で泣いていること、誰にも悟らせたくない。眠れなくて吹き替えの映画を立て続けに観ていたら朝になっていた。カーテンの隙間から朝日が差し込んで、サイドテーブルに置いたままにしていたビールのプルトップに反射しては天井に小さな楕円を作っている。天使の輪だ。誰に頼まれるでもなく、身体は毎朝きちんと8時に目が覚める。こんなの、ぜんぜん美しくない。毎日、全然、なにひとつ楽なことなんてない。ため息をつく暇がないくらい忙しければいいのに、あいにく仕事は閑散期で、退屈の隙間をぬうように思い出が近寄ってきては無防備な私を下の名前で呼ぶ。持ちすぎた秘密を少しずつ手放すように、スカートの裾から大事な言葉を落として歩いている。手紙を書いている間だけは考えていてもいいよと言われているようで、それ以外の時は全て忘れなくちゃいけない使命感が押し寄せてくる。なにも考えなくて済むように映画や音楽や本やお酒で体をいっぱいにして、知り合ったようでなにも知らない人とあたりさわりのない会話をする。大げさな悲しみに見えるけれど、のろまなわたしが最後にもどってくる場所はいつもここだった。クリスマスの前の日にサンタさんはこないと告げられた子供のような、幸せの手前の大きな落とし穴には一度はまったらもう出られないってわかってたはずなのに。いつも誰かのために用意した食べ物や洗濯した服と一緒に暮らしている。自分のためだけに生きられるステージからは早々に降りてしまった。

 

ここ数日、あまりに寒いのでホットカーペットと湯たんぽを導入した。エアコンですぐ喉が痛くなるので、冷え症だけど暖房は入れたくない。湯たんぽ、少しぬるくなってくると猫を抱いているような感覚になる。自分以外に温度のあるものが布団のなかにあると、どうしてこんな気持ちいいんだろうな。冬はだいきらいだけど、あたたかいものを触った時のあの言葉にできない幸せな感じは好き。クリスマスの準備で、わたしの住むどうしようもない街にも申し訳程度のイルミネーションが光る。プレゼントを選ぶのが大好きだから、誕生日とかクリスマスとかバレンタインがだいすき。もらうよりあげる方が好きと話すといつも意外がられる。

 

先日結婚相談所で働いているという人と知り合い、少し話をした。なにか条件あれば探しますよ、と笑いながら言われたけれど年収も年齢も身長も家族構成とか、そういったものに関してはなんのこだわりもないと話したらすぐに表情が曇って、「あなたみたいな人が一番困るんですよね」と話し出した。気分を害したらすみません、と言われたので問題ないので続けてくださいというと、そういう人は自分が一番何を欲しがっているのかわかっていない。何人か紹介しても「なんとなく」とか「フィーリングがあわない」とかいう言葉でお断りする。そんな人は結婚相談所に来ても何も見つけられないですよ。自分の望んでいるものや物差しを数値化・言語化できないのであればこちらはなんの提案もしようがない、と。なので明確なものが見つかったらお声がけくださいね、と言われた。わたしは、他人の怒りや悲しみを軽率に扱わない人、とよく言うけれどたぶんそれはほとんどの人がぴんとこないものだと薄々感づいている。よしながふみの「愛すべき娘たち」という漫画がある。登場人物の女性がお見合いをするのだが、相手の男性が仕事のできない人のことを「怠け者」と表現したり、髪の短い女性のことを「世間に対して肩ひじ張ってるように見える」と話すのに心を痛めるシーンがある。私自身こういうこと、としか言いようがないのだけれど、たとえば相手が大きな会社に勤めていたり顔がかっこよかったりしたら「そんなことで?」と周りの人には言われるのだ。少なくともわたしは「そんなことで」と言わない人を好きになりたい。


宇多田ヒカル - Be My Last

 

以下、良い漫画です。

愛すべき娘たち (Jets comics)

愛すべき娘たち (Jets comics)

 
卒業式 (クイーンズコミックス)

卒業式 (クイーンズコミックス)

 

来月姉の結婚パーティーに出席する予定なので、いっちょここらでと思い立ち美容室とネイルサロンに行ってきた。髪を染めるも、髪の色が変わっていない。美容師の仕事にかける思い入れや使っているアイロンやハサミの値段を聞いて驚きつつも適切な相槌を打っていたこの二時間はいったい何だったんだ。もしかしたら今日ヘアカラーの予約であったことが伝わっていなかったのでは?と錯覚してしまう。カウンセリング時に3cm切って色のトーンを上げてくださいとお願いしたのに、最後自信満々に「1cm切りました!色は今回は控えめにしました!」と言われた時に「いやいや、違うじゃないですか~!」と陽気につっこめればよかった。初めて担当してくれた美容師に対する遠慮と、30分以上時間がおしていて後の予定に支障が出そうという事実が完全にわたしを黙らせてしまった。その後会った友人には「わぁ~なんか、メンテナンスしましたって感じ……?」と言われた。わたしはメンテナンスじゃなくてイメージチェンジがしたかった。ちょっと髪をツヤツヤにすることに数千円払えるほどの経済力はないし、この髪の毛にちょっとのツヤツヤ以上の何かを感じ取れるほどわたしは繊細じゃないんだ……

 

友達とサイゼリヤでご飯を食べた。みんなそれぞれ「ふつう」なんてものが存在しないことをよくわかっている。出身地も家族構成も環境も性別も違う人たちをどんなに均したってそれはあくまで平均でしかなくて、平均はふつうとイコールではない。10年もお互いのことを見つめ続けているのに、会えばまだ話したいことや伝えたいこと、知ってほしいことが出てくるのが不思議でたまらない。そしてどんな話題のときでも「いやそれはわかんないわ」と言えるのが快適だ。社会に出てから気づいたけれど、同調を求めない人間関係は意外と貴重。それにしても高校生の頃一緒に弁当食べてた人たちと、まさか10年後もサイゼでご飯食べてるとは思わなかった。サイゼリヤで好きなメニューはエビと野菜のトマトクリームリゾット、生ビール、キャベツとアンチョビのソテー、イタリアンプリンです。

 

少し前(10/21)に書いた記事だけアクセス数が以上に多い。よくわたしは家庭環境の話をするときに「めずらしい話じゃないんだけど」という前置きをしてしまう。最初は聞いた相手に気を使わせたくないからかな、とかかわいそうと思われたくないからかな、と考えていたけれど、父親に怒鳴られたりぶん殴られたりしておびえながら12年も実家で過ごしていたことをかわいそうと思うのはそこそこ妥当な気がする。かわいそうがられることを嫌がる人は多いけど、わたしはそれはあまりストレスではないので、かわいそうがるかどうかはこの件に関しては自由にしてください。しばらくこのことについて考えていなくて、単に口癖なのかなと思っていたけど、今日改めて思い返すと、様々な出来事の因果関係を家庭環境と結びつけないでくださいねという意味かもしれないなと思った。非行に走る理由が片親だから、とかじゃないけれど、わたしが年の離れた異性とばかり付き合っていたとき「父親からもらえなかった愛情が~」とよく言われていた。不都合な出来事や理解できない性質が見えた時に〇〇だからこうなんだ、と関連付けをしたがる人はそこそこ多いけど、結局そんな単純明快な場合じゃないことがほとんどな気がする。もちろん自分も無意識でやってしまってると思うけど。自分のことはもちろん、他人のこともできる限りミスリードしたくないな、と強く思う。そのための対話だし。


Sunny Day Service - クリスマス【Official Video】

弊社の社内報には、毎月様々な店舗の人がローテーションでコラムのようなものを書かれている。たとえば最近はまっていることだったり、おすすめの本だったり、お客さんと接していてこんな発見があった、とかそんなことが小さな枠のなかに収まっている。同じ会社の中の顔見知りの人が、こんな文章を書くんだな、こんなことを考えているんだな。その内容に驚いたり、共感したり、忙しい。まえに東京医大の入試トラブルのあった時期に男性社員がレディースデーと女性専用車両を「男性差別」と表現していた時は何言ってんだこいつと思ったが。当然のことながらわたしはしがない販売員なので、自分の考えを文字にする場は基本的にブログかTwitterくらいしかない。会社の人はわたしの選ぶ言葉を知らないし、わたしがそもそも文章を書くことが好きだということもしらない。このブログを読んでいる人の何割くらいの人の顔や声を私は見知っているんだろう。おそらくほとんどを知らないけれど、手癖だらけのこの文章を読んでくれている人たちに対して、わたしは明確に親しみを持っています。

 

知り合いと喧嘩をしてしまった。わたしがたまたま彼の詳しくないことを話題にして、少しずつ補足をしたりおすすめのネット記事とか本を紹介しながら話していたら「ねぇ、俺のこと馬鹿だと思ってるよね」と急に言い出した。そんなことないよ、と言ったあとに「あなたとわたしはお互いの知識や関心の領域が全然違うし、わたしだってあなたが詳しい分野の話は知らないことばっかりだよ」と話したけれどもういいよ、とだけ言われて会話が終わってしまった。まぁフェミニズムの話だったんですけど。自分の話し方が悪かったのかもしれない。でもなんか寂しい気持ちになったな。

 

ceroのorphansのPVの途中、3:57からの「あぁ 神様の気まぐれなその御手に 掬いあげられて」という歌詞の部分でボーカルの高城さんがやっているハンドサインがキリスト教の祈りじゃなくて仏教のハンドサインなんですけど。このハンドサイン右手が「摂取不捨印(人々を決して見捨てることはないという阿弥陀如来の慈悲を表す)」左手が「与願印(仏さまがわたしたちの願いを聞き届けようとしてくれている)」になってます。

この2つの印がペアで使われることはあまり見たことがないので、単に撮影のときにぱっと出てきただけのものだと思うんですが、この曲がもともと「夫のちんぽが入らない」という本の一文

私たちが本当は血のつながった兄妹で、

間違えを起こさないように神様が細工をしたとしか思えないのです

ここから着想したと知って、偶然生まれたこの神様の手、あまりに本の内容に対して救いがありすぎる…ッとなってしまい一人で勝手にエモくなってしまっていた。多分本を読んでない人には何を言っているんだこいつと思われると思うのですが、あらすじだけでもググってください。この本、知り合いの男性に貸したりプレゼントしまくったな。泣きそう。ビール飲んで寝ます

※著者のこだまさんとcero高城さんのやりとりがまとめられています(https://togetter.com/li/1074622


cero / Orphans【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

夫のちんぽが入らない (講談社文庫)

夫のちんぽが入らない (講談社文庫)

 

 

 

なぜかブログの読者が一日で五人も増えてびびる。無印で買った12月はじまりの手帳に予定を書こうと思ったけど、ひと月先には何の予定もなかったんだった。ブログを更新するたびに、読んでくれている同年代の女の子たちからのほとんど悲鳴にも近い「わかるよ」が届く。セクハラだらけの会社で、誰も覚えていないであろう飲みの席の言葉に丁寧に傷つく。売り上げがよければ「キャバクラ接客」、売り上げが悪ければ「女だから」今の店に配属されたのは「顔が良いから」そんなのを何度も何度も何度も何度も言われて、泣かなきゃ泣かないで「かわいくない」だもんな。かわいくないのはおまえの前だからだけど。

にきびできるのはいやだけど、この時間にチョコレート食べた。女の子に生まれてよかったって、誰か思わせてくれないかな。性別じゃなくて、顔でも体の凹凸でも長い髪でもないなにかで肯定されたい。ランドセルの色、女性専用車両へのディス、胸のサイズの話題、結婚しないせいでネタにされる親戚の集まり、忘れる気になれない。化粧はいいよ、自分でもやってて楽しいし可愛くなれるし。誰にも言えない秘密がなくなったらもう女の子じゃなくなるのかな。

友達と飲んだ時に恋愛の話になった。彼女は初めは恋人の全てが好きなところから始まって、だんだんいやなところが見えてくるようになると安心すると話していた。相手の嫌なところやわからないところが見えると、ちゃんと人間を好きになってるんだと実感するよね、と。何年か前、わたしはそれを律儀に恋人に伝えてしまい、微妙な空気になったことがあったな…とふと思い出した。わたしは君のすべてが好きなわけじゃない、それはすごく当たり前で、相手もきっと同じように感じていると思う。でもやっぱり言うべきじゃなかったのかもといまは反省している。

わたしは人より少しだけ親切で、お酒の席で明るく話せるけど、そうじゃない日のことを知ってほしい。わたしにもそうじゃない日のことを話してほしい。わかるよと言える保証もないくせに、不都合ごと見せてほしいと思うのはわがままだろうか。


tofubeats - No.1 feat.G.RINA(official MV)

 

寝苦しい日に眉間に寄ったしわとか、日に透けて茶色く見えるまつげとか本人も知らないようなほくろとか、一緒に歩いたやけにきつい坂道とか、親しげな距離から見える細部の積み重ねをきれいに引き出しにしまって、説明のつかない感情のかわりにこれを愛と呼ぶことにしている