仕事とかプライベートのストレスからくる圧倒的な不眠と食欲不振のせいで、一日一食二時間睡眠みたいな生活を送っている。体重が減りまくるなか、飯も食わずにカレンダーを見ながら指折り数えて働くわたしを見た後輩に「なんか危ない薬でもやってるんですか?」と聞かれた。わたしも会社にそんなやつがいたら、たしかにそう思うな。裸のままでは働けないから、仕事のあいだだけでもきれいな服を着せてあげる。明りのない部屋に帰り着けばその服もすぐにほどけていく。部屋のベッドサイドに度のきついメガネと一生分のさびしさを脱ぎ捨てて抱き合う日がくることを夢に見ている。「誰かがいなくなっても心のなかに大切なものとして残ります。それを思い出すときあなたの一生に光があたります。」それが一体何の励ましになるのかわからないけど、セルフサービスで報われてくださいってはっきり言ってくれればいいのに。なくなったものを自分の体の一部からはがしとるのにはそこそこの時間がかかるんだって、この仕事してればいやでもわかるはず。心のなかが上がったり下がったりを繰り返して、忙しくもないのに疲れている。ぜんぶだれかのせいにできればそこそこ楽になることには気づいている。親とか、兄妹とか、友達とか上司とか。それでも自分と同じだけ他人の人生にも大切が宿ってることは忘れちゃいけないからそうしなかった。どうでもいい出来事はいくらでもあるけど、どうでもいい人はきっと誰もいない。

 

誕生日がずっと苦手だった、そもそも本当に自分がその日に生まれたんだろうかとなんとなく怪しんでいる。ここ数年は仕事の都合上誕生日当日は一人ですごすことが多い。いつもと同じ映画をかけて、いつもと同じ場面で泣く。ケーキは買わない。家族のグループラインを無視したせいで去年は気まずい雰囲気になったから今年はちゃんと返信するのを忘れないようにしよう。26歳になる。

 

君は自分がどういう人間なのかもっと考えた方がいいよ、と言われてブログを読み返してみた。悲しいことにだけ過剰に敏感で、泣き虫で臆病で話し下手な人間だと思う。ストレートな表現ばかりで、ちゃんとした嘘がつけないからいつも誰かを巻き込んで、場当たり的なやさしさに簡単に救われてすぐ人を信じる。一生自分で死なないタイプの人間だな。


syrup16g - 透明な日