エアコンのせいで肌のコンディションが悪い。お風呂上りにオイル、化粧水、ニベアと一生懸命重ねても朝起きる頃にはほっぺたがカサカサになってるのは何なんだ?何に水分と油分をそんなに持っていかれている?年齢に応じたエイジングケアがわからない……と職場でずっと話している。良い化粧水の情報をください。

 

髪を伸ばしてそれっぽいワンピースとか着たらなにか変わるかなと思ってルミネやパルコを徘徊したけど、そもそもわたしはワンピースが似合わないのだった。

 

好意を持たれていた人から、攻撃的な言葉を電話口で何度もぶつけられた。最後の最後に、もっと傷ついてよ、と泣きそうな声で言われた。傷つけることでしか、相手を試したりなにかを測れない人のことを愛せない。どっちが力が強いかの勝負は、わたしは趣味ではないのだ。

このあいだ、ツイッターのアカウントに「恋愛ばっかしてて人生楽しそうですね、文章を読んでいるとむかつきます」とDMがきていた。楽しそうに見えるなら、それはなによりだ。恋愛をすると、自分がいかに愚鈍で、矮小で、卑怯で、嫉妬深く、堕落していて醜く、強情で、むなしい人間かを思い知らされて、ひとりでいるよりよっぽどきつい。わたしはおそらく、たいしていい人間でもないがそこまで悪い奴でもないはずなんだけど、いつも自分の嫌なところばかり見えてしまう。好きな人に好かれなかったことだって何度もある。今だってその渦中にいる。それでも愛とか云々に対する諦めの悪さや思い上がりはわたしの強さだ。好きな人や大切な友達と長く一緒にいることができたら、いつかその人が本当に欲しいものを手に入れられなかったり、大切なものをなくしたとき、それは子供の時からの夢かもしれないし二度と踏めなくなってしまった土地やもう会えなくなってしまう誰かかもしれないけれど、その時のために、わたしはありったけの他の物をあげられるようにしたい。代わりのないものの代わりにならなくても、慰めになるものをどこまでだって探しに行くと思う。その行為はけして誰かのための人生の浪費や献身、自己犠牲なんかではなくて、確実にわたしの心の支えになる、わたしが生きるために必要なものなのだ。そして大好きな人の言葉や笑顔を、馬鹿みたいにひとつひとつをありがたがって、ひとつひとつに傷つく。これがハッピーエンドで終わらないなんて、信じないぞ。それがかなわないなら、どんな神様だっていてもいなくてもおんなじだ。

 


きのこ帝国 - 桜が咲く前に

家の近くの銭湯に行くと、大きい鏡があるのでまじまじと自分のはだかを見ることになる。夏から比べると5kgくらい痩せたからかなんとなく心もとない。高校生のときに過剰なダイエットをして16kg痩せた時はウエスト55cmくらいしかなかったけど生理も止まってたし毎日眠くて仕方なかった。そのころに比べれば多少人間味というか、生活感のある体系になったと思う。恋をすると痩せて綺麗になるなんて嘘、性欲が先行してやつれてるだけだって言ってたのは安野モヨコの漫画だったかな。服を脱ぐと考えごとや悩みのほとんどがとても無駄なことに思える。服を脱いでしまうと、体の説得力に言葉が引きずられて、必要以上を語れなくなるからかもしれない。現に女友達と一緒に銭湯に入るとたいしたことがしゃべれなくなる。筋トレする人の気持ちあまりわからないけど、すっぽんぽんになったときの強度をあげたいという理由ならわかる。たぶん小学校低学年の女の子がおふろで母親に学校の話をしている。少しふくよかな女性の背中についているブラジャーの跡や、どういう理由で入れたのか気になるタトゥーとか、そんなのを眺めているとたいてい湯あたりする。お金を入れると3分だけ動くドライヤーで髪を乾かしているとき、髪切ってよかったなと一番実感する。風呂上りはプロテイン

 

最近ものすごく精神を擦り減らす人間関係のトラブルがあり、LINEが小一時間で数百件きたり、ワン切りの電話が一日に何回もかかってきたり、話し合おうにもドタキャンされたり相手が泥酔していたりというのを何度か繰り返されて、久しぶりにかなりまいってしまった。他人から、礼儀と愛情表現の線引きが下手だとよく言われる。それがいわゆる「誤解させる」の真理なのかもしれないけれど、わたしは行動もだけれど言葉で好意を示すタイプなので間違っても好きじゃない人に「好き」だとか「かっこいい」とか言わない。でも「相談があるから」とかで夜に電話がかかってきたり飲みに付き合ってほしいと言われたら普通に応じてしまう。それがだめっぽい。相談や、トラブルに対してなるべく解消してあげたいという気持ちがあるから今の仕事できてるようなもんなんだけど、仕事中とか接客直後だとそのスイッチが入ったままなのでなかなか断れない。当面の悩みになりそう。

 

池袋で友達と遊んだ。大阪王将で餃子を食べながらいろいろな話をして、バレンタインのチョコレートを探しに行った。好きな人のことを考えながらする買い物は、普通に楽しい。どんな色が好きかとか、こんなものが似合うだろうなとか、本人が似合わないって言ってても、着たらきっとかわいいだろうな、とか。チョコレートを3つも4つも買おうとして友達に止められた。はやく渡したい気持ちでいっぱいで、サプライズしたかったのに結局LINEで買ったよ!とでかい声で報告してしまった。愚かしい!でもラブだ。

 


[Official Music Video] Perfume 「マカロニ」

今朝メイクがめちゃくちゃうまくいったのに好きな子に会えないってだけでもうテンションがガタ落ちだったのに、その後接待(と言う名の脱法合コン)に駆り出されたことに対しての不満がすごい。取引先の男性からの質問に対して、持ってるカードを順番に出していくだけだ。趣味や特技、私服の系統に休日の過ごし方や家族構成。テンプレ通りの質問が順番にくるだけで、七並べをやっている気分になってくる。こいついま彼女いなくてさーと紹介された28歳の男性はマッチングアプリで知り合った大学生の女の子と音信不通になってしまったことを面白おかしく話していた。なんというか、場に必要なのはあくまで女の人であって自分ではないということがひしひしと伝わってくる。適当な相槌ばかり打つ私に上司は「この子は打算的じゃなくて純粋なとこがいいんですよ」と言った。年収、長男かどうか、実家が持ち家かどうか、わたしは好きなタイプを聞かれると「足が速い人」と冗談でいつも言うけれど、それは半分冗談で、半分本当だ。純粋というよりも、わたしの好意は幼さに近いことを自覚している。

二次会のカラオケに耐えた自分をほめてあげたい。誰にも迷惑をかけないくだらない破滅みたいなのがけっこう好きなので、帰路でビールのロング缶2本飲んだら想像の1.25倍くらい酔っぱらってしまって、家にたどり着いてから玄関で数時間寝てた。上司の目の前でLINEを交換しようと言われて断れなかった自分に落ち込む。社交辞令の挨拶、それ以降の既読無視に対して良心が痛むくらいのまっとうさはある。でも気が進まないのは仕方ないのだ、ほかの人じゃときめかない。

 

芸能人の不倫報道が理由で、好きな監督の映画のタイトルがテレビに何度も出る。職場の人に急にあの映画の最後ってどうなるの?と聞かれそれまで詳細を知らなかった私はいったい何が起きてるんだ?と思ったけれど携帯のニュースサイトをみて把握した。なんというか、みんな潔癖で他人にそんなに興味があるんだなと本当に思う。SNSとかで聞いたことないくらいの口汚さで罵っている人や、作品のタイトルで大喜利みたいに遊んでる人たち、いいねが何万とかついてるのをみると、きついなと思う。時代とともに倫理観は変わるから、昔の作家や芸術家は~とか言うつもりはないけれどものづくり云々以前にそもそも彼彼女らも一人の人間だしな、と思う。こういうこと言うとじゃあ不倫を容認するのか!?と目くじら立てるやばい人がいるんですが、そういうことじゃないってことはたぶんほとんどの人がわかってくれると信じている。ただ、こういう不寛容さが蔓延すると、絶対いつか自分の好きなものや大切なものにまで手がのびてくる気がしませんか。わたしはまだこの国で数十年生きるだろうし、いま好きなものや興味のあるものがおそらくそのやり玉にあがりやすい類のものであることは自覚しているから、こういう考えを身近な人だけにでもいいからきちんと話しておかないと、簡単にひっくり返されるなと改めて思い直した。

 

最近離婚した友人は、配偶者の気持ちが自分のところからどんどん離れていくのを間近に見なきゃいけないことに耐えられなくて、早々に別れることを決めたと話していた。彼女は美大をあきらめて入った大学で趣味を通じて知り合った人と結婚した。ものを作れなかったことに対するコンプレックスからようやく救われた気がする、と結婚すると聞いたときに話していた。浮気相手は自分より年下で、一緒に行くはずだったのに彼女が仕事で行けなくなった舞台で知り合ったという人だった。少しずつ一緒に食事をする回数が減って、会話がなくなって、知らない作家の本が部屋に増えていったと言う。砂時計の落ちる速度は、後半になると加速するように見えるが実際は常に一定の速度で落ちていっているらしい。頭ではわかっていても、そうとは信じられないことが、世の中にたくさんある。好きにならなきゃよかった、と泣いている声を拾ってしまわないように、一緒に行ったカラオケでは二時間ずっとマイクの電源を切っていた。


lyrical school「Tokyo Burning」

最近、お風呂上りにすぐ布団に入るのは体温調節的な意味であまりよくないと聞いた。冷え性なので前まではとにかく体が冷える前に寝ないと!と意気込んでいたけれど逆効果だったそう。最近はお風呂上りに薬を飲んでストレッチをしてから布団に入り、短編小説の一編を読んでから目を閉じるようにしている。本を読みだすと集中しすぎてしまって、やめるタイミングがわからなくなって仕事の休憩時間を過ぎてしまったり電車を乗り過ごしたり、お風呂に入りながら二時間読んでのぼせたり、夜通し読んでしまい次の日の朝後悔してしまうことが多かったのだけれど、今のやり方にしてからは飲んだ薬のせいで眠くなり、文字通り強制終了させられるのでちょうどいい。しかしこれまた薬のせいでもうろうとしながら読んでるので、内容がどんどんあやふやになってくるので結局読んだのに読んでいないみたいな状態になる。快適な読書ライフが訪れる気がしない。

 

象は静かに座っている、を観に吉祥寺のアップリンクへ行ってきた。トレイラー通りの重たくて暗い映画で、観た後あまりに気持ちが落ち込んでごはんも食べれずにいた。ぎゅうぎゅうに乱立したアパートを抜け出してリンが少し歩くと、異常に広い道路と橋から見える大きな川。中国と言う街をわたしはあまり知らないが、不思議な縮尺の土地だった。晴れた空も、ひらけた地面もほとんどうつらない4時間のなかでこのでかい川が突如うつされたときにうわ、と思わず声が出てしまった。久しぶりに景色に、というより人間以外に対して美しいと思った気がする。

あと登場人物の誰もが自分と他者との関係を「奪うもの」か「奪われるもの」かの二択でしか見ていなかった。それはたぶん「誰も自分の言葉に耳をかたむけることがない」という諦めと逃げ場のない街が生んだ、虚しさの一種だと思う。ここじゃないどこかへ、と願う人が観るにはあまりに救われないし、なにかが好転することでしかカタルシスを得られない人はみない方がいいと思う。

ちなみに観ようと思ったきっかけはこのネット記事です。作品の完成から版権に至るまでの問題や、あらすじというもののかなりのネタバレが書いてあるので前情報なしで見たい人は読まない方がいいかもしれません。

chinabluehualan.com


映画『象は静かに座っている』予告

自らの経験や知識、愛情、時間、そういうものを費やしてなにかの形にすることができる人を本当に尊敬している。それは映像でも音楽でも、文章でも料理でも何らかの造形物でも。他人の作ったフィクションの薄皮を優しく削げばみずみずしく濁った、神様の汗みたいな、その切実なひとしずくにふれることができる。わたしは何かに詳しいわけでも、人に豊かさや知識や役に立つ情報を発信したりはできないけれど、ものを一生懸命作ってくれる人のことを考えたり、作られたものやそれにまつわる思い出を忘れないために書いている。映画を一緒に観た知人は、学生時代に地元の工場でアルバイトしていた時に機械に巻き込まれたせいで左手の指が2本ない。明日指が吹き飛んだときのために、どうやって文章を書く方法があるのか事前に調べておこうと思った。

高校時代からの友達が家に遊びにきたので、違国日記の話をしたり、麓健一の話をしたり、小学生の時読んでた少女漫画、恋愛の話をしたり、一か月後に死ぬならなにして過ごす?というような話をした。わたしは「時間かけて遺書書くかなぁ」と答えたらめちゃでかい声で「え~!?遺書読みたい!!」と言っていたのがおもしろかった。彼女とは高校生のときにTwitterを通じて知り合ったのでかれこれ10年の付き合いになる。当時まだTwitterを使っている人は少なくて、昆虫キッズが好きな年の近い女の子がいると知った時はすごくうれしかった。一緒にお茶をした地元のミスドは何年か前につぶれてしまって、悲しかった。ビール、発泡酒、レモンサワー、最終的にワインの瓶を開けて6時間ノンストップで飲み続け、友人は終電を逃しわたしは化粧も落とさず布団で寝ていた。好きだったバンドは解散して、わたしたちは結婚もせず細々と働いて数少ない大切なものに対していつも言葉を選んで話している。子供が嫌いではないけれど結婚や出産に前向きになれない、30で死にたい、といってたけどもうちょっと死なないでもらいたい。楽しい夜だった。

 

iphone11にした。でかすぎて持ちづらいけれどもバッテリーがすごく長持ちするので助かっている。色はパープルだけど、実際は青味の強いグレーっぽい。とにかく携帯屋の待ち時間が苦手なので、今回オンラインで機種変更したけれど、謎の課金プランを勧められたりしないからデータ移行とかを面倒くさがらない人ならこっちのほうが楽だろうな…と思った。

 

わたしは自分が正しいと主張したいわけでもないし、考えに100%合わせてもらいたいわけでもない、まったく共感できなくてもかまわない。けれど、いま私が何を考えているのかは知ってもらいたいから口に出している。あなたのこともすべてわかったり共感することはできないけど、わかりたいという意思はある。前に付き合っていた人にこの話をしたら、冷たいね、人を傷つけている自覚のない人間の言い分だよ。と言われたのを覚えている。そんな人間関係は望まれていないということが、話せば話すほど伝わってきた。自分でもこの性格が得をしないということはなんとなくわかっている。でも言わなくてもわかってもらえる、そんなのを健全と思えるほど他人の感情をくみとる自信はない。せめて好きな人とのあいだくらいには誤差を減らしたい。そうなったとき、やっぱり言葉以上の手段がなかった。もう来月には26歳になるけど、このやり方がいいのかはいまだによくわかっていない。自分の性質には合っているのかもしれないけど、悲しい結末がついてくることのほうが多い気もしている。 


The Paradise Gym - 摩天楼

朝起きて、顔を洗って、化粧をして髪の毛をセットする。母親にそっくりな、途中から薄くなる眉毛を整えるのがむずかしくて、好きな人に会う日以外は超適当に眉毛を書いている。小中学生のころ、ずっと太っていてうわばきを隠されたり悪口を言われたりしていた。いまでこそ化粧とピーク時から10キロやせた体のおかげで、形も並びも悪い顔や体のパーツのあれこれをごまかしていけている。大人になって見た目にお金をかけられるようになってよかった。芸能人やインフルエンサーの整形の告白、インスタにいっぱい出てくるダイエットサプリの広告、痩せないと着れないサイズで作られている韓国のプチプラの服。開き直れなかったらコンプレックスに殺されてしまう。デブとかブスとか、なんだかんだ大学生になるくらいまで言われ続けてたな。自分の納得のいくメイクを覚えてから、ようやく自分の顔が嫌いじゃなくなってきた。美人ではないけど、必要以上に卑屈になるほどの顔でもないなと思う。でも明日朝起きたら鼻高くなってたらうれしいしそうであってほしい。

 

最近よく作っているもの:キムチチャーハン、白菜と豚ロースのコンソメ煮、卵ともやしとしめじの中華スープ、鶏そぼろと炒り卵の二色丼、鶏モモとねぎの塩焼き(実質ねぎま)、チーズ入りのオムレツ、めちゃうまなカレー、大きめの冷凍エビを使ったグラタン。

今度作りたいもの:さといもをいい感じに使った和食、ナポリタン、サツマイモの炊き込みご飯、ポテトサラダ、ちらし寿司。


平賀さち枝 - 10月のひと

 

12月の20日ごろだったか、インフルエンザになった。1年で40度近い熱が何度も出て、夏には救急車に一回乗った。生まれたてなのか?と思うほど免疫力がない。たぶん慢性的な睡眠不足のせいなんだけど、こればっかりは持病なのでなんとも改善が難しい。前に人から「なんで寝ないの?」と言われて傷ついたのを覚えている。病気の人になんで治さないの?というのと一緒だよと言ったらだって君の病気は仕事辞めれば治るんでしょと言われた。そういうことじゃない、というのを抱えたままの会話は苦しいし、わたしはそうじゃないをいちいち説明するほど、目の前の人に好意も悪意もなかった。わたしにとっての愛情は時間を割くこと、言葉を選ぶこと、大切だと思ったことを忘れないことだと去年一年でなんとなくわかった。

 

年末は高校時代からの友人が泊まりにきたので、みんなで回転寿司を食べてクリスマスケーキ(もう何日も過ぎていた)を買って家でマリオカートをした。急に誰かが「銭湯いきたいな」と言い出しググってから10分後には家を出て店じまい一時間前の銭湯にすべりこんだ。3人いれば一人くらいは外出るのしぶるもんだよ、といったら「たしかにね~」とみんなニヤニヤした。

 

年始に好きな人が遊びにくるので実家でついたお餅を持って帰ってきた。にこにことお雑煮を食べている様子を見て、お正月だなぁと実感した。成人男性が餅を食べる機会はおそらく年に数える程度しかない。見たことのない顔や仕草と、見慣れた仕草がくるくると入れ替わる様子にとても幸せを感じる。テラスハウス見てあぁだこうだ言ったり、なぜか朝6時までストレンジャーシングス観たりしてたけど、起きたら午後3時だったから、これも寝正月になるのかな。春になったらどんな服を着ているんだろうとか最近食べたおいしいものはなんだったかとか、そういう手触りのないものばかりどんどん知りたくてほしくなる。もし大きな地震が来たら、わたしが遠くに引っ越したら、ある日突然返事が来なくなったら、そういうたくさんの諦める理由を全部けとばせるくらいには、この人がかわいい。

 

休みの日はたいてい料理をしている。食べ物を作りだめするのは冬だけ、越冬のためのリスの気分になりながらカレーやミートソースやスープを作る。人に趣味を聞かれたら料理と答えるのだが、へ~今度作ってよ!と言われるのがいやなので最近は「趣味ですがとてもまずいものが毎回出来上がります」と言っている。非常に効果的です。

 

以前職場の男性に1か月に7回食事に誘われ、断り続けるのが苦痛で上司に相談したときに「君が勘違いさせるようなことしたんじゃないの?」と言われた。まぁそこは50,000歩譲っても許せないとして、その時に上司に「彼氏がほかの男と食事すると怒るんで」って言えばもう誘われないでしょ、と言われたことがずっとひっかかっている。

してその時わたしは「いや、でもわたしの彼氏はそんなこと言ってないので、そう言っていいかどうか確認します」と答えたらいやいや、嘘も方便だし、彼女がほかの男と食事して嫌なのなんて確認するまでもないでしょと返された。わたしは「本人の本意かどうかわからない言葉を代弁するわけにいかないんですが……」と返した。よくわからないという顔をされた。わたしは当時付き合っていた恋人にその旨を伝えたら「別にほかの人と食事しても怒らないけど、誘われて困ってるときにその返答が有効なら、そう言ってたことにしてくれて全然かまわないよ」と返事がきて、わたしは良い人と付き合っているな……と実感した。ちなみに上司は別の人に、彼女は本当はモテて困ってるアピールをしたいだけなんだろうと話していたということを知った。そしてわたしが何度も断ってきた言葉(会社の人に誤解されたくない、仕事終わり家でやりたいことがある)よりも、「彼氏が怒る」の一言のほうがはるかに効果的であることを知ってなんだかすごくむなしくなった。もうそろそろそういうのに対して反撃するスキル身に着けたいな。

 


前野健太と大森靖子「友達じゃがまんできない」2014年12月14日